Skip to main content

1 コード理論の概要

さて、コード理論の記念すべき最初となるこの記事では、コード理論の概要について簡単に説明します。これを説明するにあたっては、序論で紹介した「3つのレイヤー」がうってつけです。

三段階

音楽理論の中身というのは、ザックリ分けたらこの3種類なのでした。コード理論の中身も、この3つに大別してあげることでその全体像が分かりやすくなります。

コードってなに?

そもそもコードChordってなんのことなんでしょうか? 実は日本語に直せば「和音」のことで、つまり「複数の音を鳴らしたもの」がコードです。

コード理論とは、「音をどんな風に重ねたらどんな響きになるかをまとめて、名前をつけたデータ集」のようなものです。

例えばピアノの鍵盤をグーとパーでベチャっとやると、こんな音がするはず。

これはさすがに美しくないですね。しかしうまく音を重ね合わせれば、ただ和音を奏でるだけでも魅力的な音楽になります。

音階の時と同じように、明るい響き、暗い響き、奇妙な響きといった個性が和音にも存在します。どう重ねればどんな響きになるのか? そして、それになんと名前をつけるか? それを解説していくことが、コード理論の土台部分となります。

三和音

序論でもあったとおり、名前をつけることで、目に見えなかった音が「記録・記述しやすいデータ」に変わります。それが、音楽をよく理解するための大きな一歩となるのです。

コードの分類と用法

名前をつけたら、そのコードを様々な観点から「分類」し、効果的な「用法」を説明していきます。

  • 基本的なコード / 応用的なコード
  • 明るいコード / 暗いコード
  • 安定感のあるコード / 不安定なコード
  • etc…

コードとコードを繋いで作ったカタマリをコード進行Chord Progressionと言いますが、応用的なコードになればなるほど、効果的な繋ぎ方というのは限定されます。それをイチイチ自分で解明していくのではなく、「定番はサッサと教えてもらって、浮いた時間でもっとクリエイティブなことをしよう」という話です。

特にこのサイトでは、実際のヒット曲を例にあげることで、「こんな場所でこのコードを使うと、こんな効果が得られる」というのを身につけていきますよ。

ジャンルごとの様式差を知る

たとえばJ-PopとEDM、ジャズ、クラシックでは、好まれるコード進行が全く違います。これは序論でも、比較実験をして説明しましたよね。


理論的知識がない今でも、複雑さが“違う”ということは感じられるかと思います。それぞれのジャンルが求める音楽性の違いを知ることで、慣習に沿った「そのジャンルど真ん中」の曲も作れるようになるし、逆に他ジャンルの要素を意図的に持ち込むことだって出来るようになる。

感覚だけでこれらを成し遂げようとするのは、大変だし時間がかかります。それをショートカットさせてくれるのが、自由派のコード理論なわけです。


コード理論の概要を簡単に要約すると、こうです。

  • コードの名前
    コードに名前をつけて、データとして扱いやすい形にする。
  • コードの分類と用法
    各コードの役割を理解し、効果的な使い方をできるようにする。定番のコード進行を学び、コードを繫げる作業を楽にする。
  • コードの様式差
    ジャンルごとのコードの様式差を知ることで、そのジャンルにふさわしいコード使いを知ったり、ジャンルのクロスオーバーを意図的に行えるようにする。

そして自由派では、この中に「ルール」はひとつもありません。それは、たとえある事柄がクラシック系の理論書に「ルール」として書かれていたとしても、自由派にとってそれは「こうするとクラシック風になります」という“様式レイヤー”に収納されるからですね。

ルールからレイヤーへ

音楽理論を「ルールの集合体」だと思うと堅苦しく感じますが、色んな音楽のスタイルを分析して解き明かしていく探検クエストだと思えば、ちょっとワクワクしてきませんか?

2 I章の道のり

I章は、「新しい言葉」と題された前半セクションと、「接続系理論」という後半セクションに分かれます。前半ラストの「クオリティ・チェンジ」という記事まで進むと、下のようなコード進行が一応作れることになります。

I章前半まで読むだけでも、これくらい幅広いコードを使えるようになります!「一応」というのは、個々のコードの正式名称や用法までは紹介せず、「組み合わせ次第ではこんな音も作れる」というところまでの解説に留まっているからです。

そうはいえ、「I章で読むのをストップしてしまったら、しょぼいコードしか習得できず、ルールに縛られたまま終わる」という心配がないのが“自由派”の良いところです。「気が向いたら先へ進む、飽きたら制作をする」を繰り返しながら、ちょっとずつ、そして進みたいところまで進んでもらえればと思います。

Continue