参考文献

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自由派音楽理論の最大の魅力は、ポップス・ロック・ダンス音楽等の実際の楽曲から採集した「21世紀の技法」を学べることですが、同時に過去からの歴史を受け継ぐ「伝統への敬愛」も、自由派の核心のひとつです。

「自由派」が「伝統主義」であるというのは一見すると矛盾しているように思われますが、そんなことはありません。長い歴史と多くの流派を知ることによってのみ初めて、音楽理論とは真に自由なのであるという結論に到達することが出来るのです。

自由派の体系は、現代の著名な理論書はもちろんのこと、20世紀、19世紀、果ては18世紀の実際の書籍にまで遡り、音楽理論がどのように発展してきたかを緻密に考察したうえで作り上げられています。音楽理論は学問なのだから、これくらいして当然ですよね。

以下は、自由派音楽理論を構築するにあたって参考とした主な書籍たち24冊です。無論ここに挙げたものが全てではなく、主に歴史考証と中立性の確保のために、他にも無数の書籍やウェブサイトを参考にしています。

The Theory of Harmony
Matthew Shirlaw
The Theory of Harmony
著者 : Matthew Shirlaw
発行年 : 1917
概要 : ラモーが音楽理論界に与えた貢献の内容を非常に詳しく解説している書籍。「音楽家の間で広く信じられ度々耳にする、和声の理論がラモーから始まったという言説は、控えめに言ったとしても誇張である」と序文で述べ、ラモーの理論が成立する以前、どのように音楽理論が発展してきたかについてまで研究されている。
Fundamentals of Musical Composition
Arnold Schoenberg
Fundamentals of Musical Composition
著者 : Arnold Schoenberg
発行年 : 1967
国 : オーストリア
概要 : 和声ではなくメロディの展開に重点があてられた、変わり種の音楽理論書。
The Schillinger System of Musical Composition (Vol.1)
Joseph Schillinger
The Schillinger System of Musical Composition (Vol.1)
著者 : Joseph Schillinger
発行年 : 1946
国 : ロシア
概要 : 音楽の要素を数学的組み合わせで解剖することを試みたユニークな書籍。あるメロディライン中で最も出現頻度の高い音程を”Primal Axis”と定め、そのAxisを基準高としてメロディがどのように動くかを考察したり、音楽がもたらす情感を円状に喩え、メロディの高揚と現実の「遠心力」を結びつけて論じるなど、一度読んだら忘れられない、極めてインパクトのある内容が記されている。
Theory and Practice of Musical Composition
Adolf Bernhard Marx
Theory and Practice of Musical Composition
著者 : Adolf Bernhard Marx
発行年 : 1837(原版), 1860(英訳第6版)
国 : ドイツ
概要 : メンデルスゾーンと親しかったドイツの作曲家・音楽理論家アドルフ・ベルンハルト・マルクスの古い理論書。まだディグリーすら振られていない初期の和声理論を知ることができる貴重な書籍。
Bela Bartok : An Analysis of His Music
Ernő Lendvai
Bela Bartok : An Analysis of His Music
著者 : Ernő Lendvai
発行年 : 1979
国 : ハンガリー
概要 : クラシック作曲家バルトークの作品を分析する中で、「Axis System」という理論を提唱したことで歴史に名を残した書籍。後の人々によって拡大解釈されていくこととなるAxis Systemの本来の姿を知ることができる。
Harmony And Voice Leading
Edward Aldwell, Carl Schachter
Harmony And Voice Leading
著者 : Edward Aldwell, Carl Schachter
発行年 : 2003(第3版)
国 : アメリカ
概要 : 現代アメリカでの標準的な和声学本。
Jazz Harmony
Andy Jaffe
Jazz Harmony
著者 : Andy Jaffe
発行年 : 1996
国 : アメリカ
概要 : 標準的なジャズ理論の書籍。
新しい和声
林達也
新しい和声
著者 : 林達也
発行年 : 2015
国 : 日本
概要 : 「和声」に代わる東京藝術大学の教科書として作られた新しい和声教本。フランスを中心としたクラシック世界での標準表記である「数字付き低音」を採用、また「合唱で歌いなさい」「ピアノなどで弾きなさい」といった聴覚訓練のための演習が用意されているといった点で「和声」とは異なる書籍。
Scales, Intervals, Harmony
Dirk Haagmans
Scales, Intervals, Harmony
著者 : Dirk Haagmans
発行年 : 1916
国 : ドイツ
概要 : フーゴー・リーマンの影響を強く受けた筆者による書籍。序論では、リーマンが提唱した機能和声を”魔法の言葉”と称し賞賛している一方で、当時リーマンの理論が世間でいかに否定的に捉えられていたかも伺える。また、「数字付き低音」の表記に批判的な立場をとり、異なる表記を使用している点もユニークである。
Lydian Chromatic Concept of Tonal Organization
George Russell
Lydian Chromatic Concept of Tonal Organization
著者 : George Russell
発行年 : 1953
国 : アメリカ
概要 : メジャースケールの第IV音が持つ「解決への欲求」から解放されるべく、リディアンスケールを中心に理論系を再構築した画期的・先進的なコンセプトのジャズ理論書。
和声のしくみ・楽曲のしくみ
島岡譲
和声のしくみ・楽曲のしくみ
著者 : 島岡譲
発行年 : 2006
国 : 日本
概要 : 「和声―理論と実習」を要約したような内容に加え、「力性プロセス」「ゆれ」といった、ややマクロ的な視点からの概念解説が興味深い書籍。
Treatise on Harmony
Jean-Philippe Rameau
Treatise on Harmony
著者 : Jean-Philippe Rameau
発行年 : 1737(英訳版)
国 : フランス
概要 : 和声学の始祖的存在と言われる音楽理論書。その内容はかなり古めかしく、音楽理論の歴史を知る手がかりとなる書籍のひとつ。本来4巻セットの本であるが、1737年の英訳版は、作曲技法に関して述べられた第3巻のみを翻訳したものである。
The Berklee Book of Jazz Harmony
Joe Mulholland, Tom Hojnacki
The Berklee Book of Jazz Harmony
著者 : Joe Mulholland, Tom Hojnacki
発行年 : 2013
国 : アメリカ
概要 : バークリー音楽大学式のジャズ理論がまとめられた書籍。見やすくまとめられており、ダイアトニックコードの進行に関する記述も非常に詳しい。
Guide to the Practical Study of Harmony
Pyotr Tchaikovsky
Guide to the Practical Study of Harmony
著者 : Pyotr Tchaikovsky
発行年 : 1871
国 : ロシア
概要 : チャイコフスキーがモスクワ音楽院講師時代に書いた和声教科書。ドイツ系理論の影響が見られる。
Harmony Simplified
Hugo Riemann
Harmony Simplified
著者 : Hugo Riemann
発行年 : 1887(ドイツ語版), 1896(英訳版)
国 : ドイツ
概要 : 「下方倍音」の存在を仮定し、そこからメジャーコードとマイナーコードを上下対照のサウンドとして捉えることで理論を展開していく、19世紀当時極めて斬新であった書籍。ここで述べられた理論が今日の「機能和声」の始祖と言われる。
Jazzology
Robert Rawlins
Jazzology
著者 : Robert Rawlins
発行年 : 2005
国 : アメリカ
概要 : ジャズ系の理論書。著者はローワン大学の教授、音楽学者で、音楽史にも詳しい。そのため、ジャズ理論書の中でもクラシック理論からの観点が織り交ぜられている点においてユニークな書籍である。
The Jazz Theory
Mark Levine
The Jazz Theory
著者 : Mark Levine
発行年 : 2011
国 : アメリカ
概要 : 情報量に富んだジャズ理論書。和訳されているので、日本での知名度が非常に高い。
The Chord Scale Theory & Jazz Harmony
Barrie Nettles
The Chord Scale Theory & Jazz Harmony
著者 : Barrie Nettles
発行年 : 1997
国 : アメリカ
概要 : バークリー音楽大学で30年以上教鞭を執り、同大学の学長も勤めたBarrie Nettles氏によるジャズ系理論書。いわゆる「バークリー・メソッド」のハーモニー・スケール論を知ることができる。
Theory for Today’s Musician
Ralph Turek & Daniel McCarthy
Theory for Today’s Musician
著者 : Ralph Turek & Daniel McCarthy
発行年 : 2013
概要 : クラシックの和声論や楽式論から、ジャズの様式までもカバーしている、幅広い視点が特徴の音楽理論書。
Music Theory
George T. Jones
Music Theory
著者 : George T. Jones
発行年 : 1974
概要 : 楽器構造、楽譜の基礎、指揮の基礎などを含め、音楽に必要な知識を幅広くバランスよくまとめられている総合音楽理論書。著者はイーストマン音楽学校で修士・博士号を取得している作曲家・音楽教師のジョージ・T・ジョーンズ。
Material Used in Musical Compositions
Percy Goetschius
Material Used in Musical Compositions
著者 : Percy Goetschius
発行年 : 1889(第2版), 1912(第14版)
国 : アメリカ
概要 : ドイツのフーゴー・リーマンとほぼ同時期に、コードを3種類に分類する「Chord Class」を提唱している先駆的な和声学本。
和声―理論と実習 (1)
島岡譲
和声―理論と実習 (1)
著者 : 島岡譲
発行年 : 1964
国 : 日本
概要 : 東京藝術大学で長らく教科書として使用されていた、日本の和声学本の金字塔的存在。
和声 – 理論と実習 (2)
島岡譲
和声 – 理論と実習 (2)
著者 : 島岡譲
発行年 : 1964
国 : 日本
概要 : 東京藝術大学で長らく教科書として使用されていた、日本の和声学本の金字塔的存在。
和声 – 理論と実習 (3)
島岡譲
和声 – 理論と実習 (3)
著者 : 島岡譲
発行年 : 1964
国 : 日本
概要 : 東京藝術大学で長らく教科書として使用されていた、日本の和声学本の金字塔的存在。