少し前のコメントなのでご本人はすでに問題を解決できているかも知れませんが、今後同じような壁に直面する人がたくさんいると思いますので、その意味も込めて返信したいと思います。
まず、Cメジャーでしか曲が作れないことによるデメリットは何でしょうか?それは各スケールが持つ印象や雰囲気を自由に使用できないということです。例えばCメジャーなら明るくて、エネルギッシュで、素直で、無垢な印象を受けます。しかし、作りたい曲はそうしたテーマの曲だけではないはずです。なので、Cで作って移調をするというアプローチは編曲的な側面で言えばよいアプローチですが、作曲的な面に関してはイマイチだと個人的には思ってしまいます。なぜならCから音を選んで作り上げていくとどうしてもCに引っ張られた曲調になってしまうからです。
ではコード表をすべて暗記して、かつそれぞれのコードが持つ印象をすべて掌握しなければ自由に曲が作れないのかと言われれば、そういうわけではありません。コードというのは本質的には「和音」であり、それらの特徴は「倍音」によって決定されます。簡単に言えば、単音が2つ以上同時に鳴っていればそれは和音なので、広義的な意味でコードと言えます。なにもトライアド(三和音)以上でなければいけないなんて縛りはありません。現にギターのパワーコードは3度の音を抜いて演奏します。
僕はピアノロールをみてコードを決定することが多いです。コードは和音なので、それぞれの音同士がどれだけの距離離れているかという問題でしかありません。なのでCもFもAも全部同じだし、AmもBmもEmも全部同じです。Csus4はCadd11(omit3)ですし。こうなってくると「スケールが違うからどのコードを引けばいいかわからない」なんてことは多分なくなると思います。結局、スケール内の7音からどの音を選ぶかという問題でしかないですし、ノンダイアトニックコードだとしても1オクターブ内にある12音の内からどの音を選択するかということでしかありません。現実的な演奏を考慮したボイシングなんて後から考えればいいんです。つまるところ、「コード」というのは複数の音が同時に鳴っている時に発生する”現象”であって、演奏の技法でもないし、曲の中で常に鳴っているわけでもないし、音楽に”必要なもの”でもありません。
自分の手で弾けなくてもDAW上で鳴らせればいいんです。ピアノロールで打ち込めばできますし、コードパッドからドラッグ・ドロップもできます。ピアノロールでMIDIをコピペして進行を作って、その後にテンションをどうするかとか自然なボイシングがどうとか考えていけば大丈夫です。そして最終的には自分が求めている音になっているかで判断するので、コードありきで作曲するのではなくて、鳴らしていた和音が結果的によく使用される進行だったくらいで何も問題ないですよ。