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準備をはじめる

By 2022.01.26準備編

1. 準備編の内容

準備編では、メロディ・コード理論の話に進んでいくのに必要な前提知識を学びます(リズム編を読むのには、この準備編は必須ではありません)。具体的に言うと、「音階」や「調」といった、音楽の授業で聴いたことがあるような言葉の中身を確認していきます。

この先の本編には色々と専門用語が出てきますが、「暗記しないと先に進めない」ということはそんなにありません。なるべく前提知識へのリンクを用意しますし、凡例にもあったとおりこのサイトにはヘルプ機能があります。ひとまず一回読んで「理解した」という段階まで持ち上げられれば、実際に暗記して頭に入れるのは少し後になってからでもよいでしょう。

入り口が一番むずかしい

実は、入り口であるこの「準備編」こそが、おそらく最もつまずきやすい難関です。というのも、今後必要になる知識の土台をあらかじめ準備するわけですから、そうした内容が実感を伴って生きてくるのは、メロディ編やコード編に突入した後のこと。現段階ではなんだか漠然としていて、あまり頭に入ってきづらいものなのです。

ですからこの準備編に関してだけは、どのみち後から戻ってくるようなつもりで、少し把握しきれないことがあっても先に進むことを推奨します。コード理論やメロディ理論を学んでから改めて読み返すと、より深く飲み込むことができるはずです。

2. 基礎用語の確認

本格的な音楽理論に入っていく前に、いくつか基礎的な音楽用語を確認しておきます。

楽譜の読み方

基本的に、楽譜の読み方についてはこのサイト外で習得していただきたいと思いますが、最小限の内容だけはここでもおさらいしておきます。

ト音記号

左端にある、ぐるぐる巻きのマークはト音記号G clef, Treble clef。この記号がある場合、各音符が表す音は上譜のようになります。一番下のラインに音符を乗せた場合がミの音で、ドとレは箱からはみ出る形になります。

ヘ音記号

一方こちら、巻貝のような形をした記号はヘ音記号F Clef, Bass Clefです。こちらの方が、もっと低い音を表します。この右端の「高いド」が、ト音記号での「低いド」と同じ高さになります。

比較

いずれにせよこのサイトのコンテンツは、どちらかというと音源が主体ですので、「音の高さ」さえきちんと読めれば、困ることはそんなにないと思います。

ピアノロール

一方メロディ編では、メロディラインの形をより視覚的に把握するために、「ピアノロール」を用いることがあります。DTMで作曲をする人にはおなじみの表示形式です。

モチーフ

ピアノロールは、縦軸が音の高さ、横軸が時間の流れを表しています。

人によっては「楽譜なしで全部ピアノロールならいいのに」と思うかもしれませんが、楽譜には楽譜のメリットというのが実はあります。あるラインを超えると、ピアノロールでは論じられない部分というのも登場します。ですので、ぜひ慣れていってもらえればと思います。

オクターブ

音の並びというのは、ドレミファソラシがずっとループします。「あるドとその上のド」のように、ちょうど1ループぶん離れた2音の距離は、オクターブOctaveと呼ばれます。

オクターブ

和音と単音

複数の音をいっぺんに鳴らしたものを「和音」といい、対して一音だけ鳴らしたものを「単音」と言います。

和音と単音

そしてこの「和音」を英語で言ったものが、コードChordです。だから「コード理論」というのは、和音に関する理論ということになります。

和音は、ピアノやギターなどひとつの楽器で作り出すこともあれば、管楽器のアンサンブルのように、複数の楽器を使って構成するものもあります。和音を綺麗に組み立てて行くにはちょっぴり知識が要りますから、楽器経験の無い人は、単音だけを使って曲を作るのもアリですよ。

ベースとウワモノ

ポピュラー音楽では、低い音を担当するパートを低音部Bass/ベースと呼び、その他を担当するパートをウワモノと呼び分けます。

「ベース」役になる楽器は、ロックバンドならもちろんエレキベースですし、電子音楽でも低音担当のシンセサイザーパートが存在します。ピアノ弾き語りであれば、伴奏の左手がベース役と言えますね。
低音パートは聞き取りづらいので一般人には軽視されがちですが、音楽を構築する上ではとても大切なもの。一応この点を音源でも確認しておきます。

元の音源

こんな感じの音源があったとします。ここから、「低音部」と「ウワモノ」を抜き出してみますね。

低音部のみ

ズンズン低い音が鳴っています。これは、パソコンやスマホのスピーカーではちょっと聞き取りにくいかも知れません。逆に、このベースを抜いてウワモノだけを鳴らしてみます。

ウワモノのみ

ベース以外は全部「ウワモノ」となります。ベースがないと、音に重みがありません。

簡単に言うと、曲の構造というのは「ドラム」「ベース」「ウワモノ」「メロディ」の四層で成り立っているということです。

4層

細かな編成はジャンルによって異なりますけども、ポピュラー音楽の基本はこの四層です。「ウワモノ」は、特にジャンルによっては、合いの手程度に単音の伴奏をちょっと入れるだけでも十分成り立ちます。

上の場合、核となる歌、ドラム、シンセベース以外にはコーラスの合いの手がちょっとある程度で、コード楽器のないまま曲がドンドン進んでいきます。途中でピアノがちょっとだけ和音めいたものを奏でますが、その程度です。それでも曲としてなかなか魅力がありますね。なので極端な話、コードを弾くことは作曲に必須ではありません。

そのため「準備編」のあいだは、コードの話はまだ登場しません。もしコードをいち早く実戦投入したいという場合には、序論でチラッと掲載した「コード作りの基本」を参考にするとよいかもしれないです。

コード進行づくりの基本

さて基本を確認したところで、いよいよ音楽理論の世界に入っていきましょう!

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