六つの基調和音 ❷

コード編 Ⅰ章:新しい言葉

#1 音階から基調和音をつくる

前回は、以下6つのコードが曲の根幹をなす「基調和音」であると述べました。

基調和音

しかしこれは、Cメジャーキーの時の基調和音です。キーの基本の音階をもとにコードを作るわけなので、基調和音が何になるかは、キーによって変わります

それでは他のキーにおいては、基調和音のメンバーはどう変わるのか? 今回はその辺りを確認していきましょう。
他の調でも、主音からズラっと音階を並べて、三和音を作っていけばOK。その調の基調和音が必ず完成します。

Aメジャーキーの場合

「準備編」の内容を思い出しながらやっていきましょう。まずはAメジャーキーで使うメインの音階を確認します。

Aメジャースケール

♯が3つ付く「Aメジャースケール」がAメジャーキーの音階。「全全半全全全半」で進んでいくとファ・ド・ソに♯が付くという仕組みでした。あるいは「五度圏」で確認するやり方でももちろんOK。
ここに、「一つ飛ばしでお団子がさね」をしていけば、Aメジャーキーの基調和音が完成します。

ド・ファ・ソには「調号」の力でシャープが付いているので、コードネームも「C#m」や「F#m」などとなっています。念のため、まだ楽譜に慣れていない人のために、調号によってシャープがつく音をハイライトした楽譜も置いておきますね。

ハイライト

メジャー、マイナー、マイナー、メジャー、メジャー、マイナーの順にコードが並ぶのは、必然です。どの調でやっても必ずそうなります。

B♭メジャーキーの場合

フラットがつくタイプの調も見ておきましょう。B♭メジャーの主音は「シ♭」ですから・・・

ダイアトニックコード

こうです。BとEにフラットがつくので、「B♭」「E♭」の2つには♭が付いています。

#2 五度圏で基調和音を調べる

しかしこうやってシャープやフラットがあるとなかなか大変ですね。各調の「基調和音」は、実は五度圏を見るとすぐにわかります。

五度圏

「五度圏」は、準備編で紹介した、調や音階に関するミステリーアイテムでした。
お気づきでしょうか? たとえばAメジャーキーなら、リーダーである「A」がいる9時のところを見てください。その周囲に、きれいに基調和音が集合しています

Aメジャーキーの基礎六

そう、五度圏っていうのは、「基調和音のメンバーリスト」としての役割も兼ねているのです。だから、五度圏でまずはメンバーを調べて、それでリーダーからアルファベット順にズラッと並べ直してあげれば、基調和音のメンバーが出来上がります。

ダイアトニックコード

これはどのキーでも成り立ちます。ですからこの五度圏を印刷して部屋の壁に貼っておけば、いつだって基調和音が作れる! 完璧ですね。
ギタリストならコレでコードネームが分かるし、鍵盤奏者ならコレでどこに♯♭が付くか判る。DTMの打ち込みでも同じこと。五度圏というのは本当に、音楽理論にまつわるひみつ道具なのです。

コードを弾くのも簡単になる

また、この考えがわかれば、前回やった「コードネームを元にコードを弾く」作業もだいぶ楽になります。例えば上に示されたA・D・E・F#m・Bm・C#mの6人は、全てド・ファ・ソにシャープがつく仲間ってことなんですから、「A」を弾くときは「ラ・ド・ミ」じゃなく「ラ・ド♯・ミ」にすればいいんだとすぐわかります。

#3 考え方

たとえばメロディが先にあってコードを後からつけて曲にしたいなんていうときに、この基調和音の知識は決定的です。この6つのコードを当てはめてみれば、どれかがフィットする可能性は高い。
逆にコード先行で作る時にも、この6つが基本だとわかっていれば、作りやすいですよね。
曲を作る際はまずこの6つだけで作ることを考えて、それでは何かメロディと合わないなという時は、鍵盤(弦)を色々弾いてみて、はまるものを探してみるというのがいいでしょう。

そして曲を長調にしたければ明るいコードを多く使い、短調にしたければ暗いコードを多く使えばいいんです。本当に、簡単です。そしてI章のここから先は、基調和音ひとつひとつの持つ性質にフォーカスを当てていきます。

この節のまとめ
  • 基調和音に相当するコードが何になるかは、キーによって変わります。
  • 各キーにおける六つの基調和音を調べるには、五度圏を使うのが最も手っ取り早いです。
  • 基調和音は、どのキーでも必ずメジャー・マイナー・マイナー・メジャー・メジャー・マイナーの順に並びます。

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