目次
1. 音階から基調和音をつくる
そういうわけで、以下6つのコードが曲の根幹をなす「基調和音」であります。
しかしこれは、Cメジャーキーの時の基調和音です。各キーに固有の音階をもとにコードを作ったわけなので、基調和音が何になるかは、キーによって変わります。
それでは他のキーにおいては、基調和音のメンバーはどう変わるのか? 今回はその辺りを確認していきましょう。
Aメジャーキーの場合
他の調でも、主音からズラっと音階を並べて、三和音を作っていけばOK。その調の基調和音が必ず完成します。まずはAメジャーキーを例にとってみますね。
♯が3つ付く「Aメジャースケール」がAメジャーキーの音階。「全全半全全全半」で進んでいくとファ・ド・ソに♯が付くという仕組みでした。あるいは「五度圏」で確認するやり方でももちろんOK。
ここに、「一つ飛ばしでお団子がさね」をしていけば、Aメジャーキーの基調和音が完成します。
ド・ファ・ソには「調号」の力でシャープが付いているので、コードネームも「C#m」や「F#m」などとなっています。念のため、まだ楽譜に慣れていない人のために、調号によってシャープがつく音をハイライトした楽譜も置いておきますね。
メジャー、マイナー、マイナー、メジャー、メジャー、マイナーの順にコードが並ぶのは、必然です。どの調でやっても必ずそうなります。
B♭メジャーキーの場合
フラットがつくタイプの調も見ておきましょう。B♭メジャーキーの主音は「シ♭」ですから・・・
こうです。BとEにフラットがつくので、コードシンボルにおいても「B♭」「E♭」の2つには♭が付いています。
2. 五度圏で基調和音を調べる
しかしこうやってシャープやフラットがあるとなかなか大変ですね。各調の「基調和音」は、実は五度圏を見るとすぐにわかります。
「五度圏」は、準備編で紹介した、調や音階に関するミステリーアイテムでした。
お気づきでしょうか? たとえばAメジャーキーなら、リーダーである「A」がいるところを見てください。その周囲に、きれいに基調和音が集合しています!
そう、五度圏は「基調和音のメンバーリスト」としての役割も兼ねているのです。だから、五度圏でまずはメンバーを調べて、それでリーダーからアルファベット順にズラッと並べ直してあげれば、基調和音のメンバーが出来上がります。
これはどのキーでも成り立ちます。ですからこの五度圏を印刷して部屋の壁に貼っておけば、いつだって基調和音が作れる! 完璧ですね。
ギタリストならコレでコードネームが分かるし、鍵盤奏者ならコレでどこに♯♭が付くか判る。DTMの打ち込みでも同じこと。五度圏というのは本当に、音楽理論にまつわるひみつ道具なのです。
これでどんなキーでも、何が基本のコードであるかが分かるようになりました。ここから先は、基調和音ひとつひとつの持つ性質にフォーカスを当てていきます。
まとめ
- 基調和音に相当するコードが何になるかは、キーによって変わります。
- 各キーにおける六つの基調和音を調べるには、五度圏を使うのが最も手っ取り早いです。
- メジャーキーの基調和音は、どのキーでも必ずメジャー・マイナー・マイナー・メジャー・メジャー・マイナーの順に並びます。