面白いサウンドですね。
本編の「序論」で初めから強調していることですが、音楽理論はルールではありません。その「ルール」というのがどこの流派のどんなものか分かりませんが、もし「コードトーンに半音上で被さるのはAvoid」とかいう話であれば、それは「これを守っていれば強烈な濁りは避けられて安心」ていどの話でしかなく、今回の音源のように明らかに濁りを生み出す目的で使われているのであれば、何ら問題ありません。また-13の音はすぐ下行して解決もしていますし、そのような用法はどの流派でも認めていますよね。
このような「濁りの活用」は、メロディ編IV章や、コード編IV章の「テンションコード❷」などで述べています。
コードネームですが、純粋にルートからの堆積でみるなら、IImM7(11)で良いと思います。一応ジャズ理論系からの解釈を用いれば、「IIm上でハーモニックマイナースケールを弾いている」と考えるとこの演奏を導けます(この曲のキーでいうと、G♯ハーモニックマイナースケール)・・・が、この方がそういうジャズ的バックグラウンドを持っているか知らないのでなんとも言えません。
(+11thを知っているということで、ある程度音楽理論を知っているだろう前提で、III章以降の用語も返答に含めました。もし知らない語がある場合はまた本編を読み進めてください。)