接続系理論 ➓ 総括

音楽理論 接続系理論

#1 接続系を総おさらい

さて、前回までで各系統それぞれの接続系が持つ効果を確認しました。

定義 特徴
Active 4度下行 明快で力強い
Basic 4度上行 明快かつ聴きやすい
Close 2度上下 なめらかで聴きやすい
Drop 3度下行 穏やかで安定している
Elevate 3度上行 フワフワして落ち着かない

これらがもつ印象の違いを理解することで、表現したいものにピッタリはまった進行が作れるという話でした。また、それぞれの型において、一般音楽理論で禁則とされる要注意の「2族」が存在しました

該当する進行 要注意の理由
5-2 DSの逆行感
(なし) (B型は全ての接続が使いやすい)
5-4,3-2 DSの逆行感
3-1 暗から明への極端な振れ幅
2-4,3-5,6-1 中途半端さ+展開性の乏しさ

ただこれらは全部、きちんとふさわしい場面、活きる場面があるという話でしたね。「五系統分類」の回でも述べたように、平常はこれをさほど気にしなくてもよい。変に暗記したせいでそれらを避けてしまうようになれば、それこそ”理論に縛られる“ということにもなりますからね。

2族をまとめて暗記する

要注意の存在である「2族」たちは、実は2種類にまとめて覚えることができます。

ひとつはA・C型の「DからSへの進行」。そしてD・E型の2族はすべて「同機能内での、マイナーからメジャーへの進行」であると言えます。

2族をまとめて暗記

こんな風にまとめて覚えておくと、暗記の負担が減らせますね。むろん、このような従来の規則を気にしないのであれば、1族/2族の区別自体覚える必要がありません。そこは文字どおり”自由”に、音楽理論を自分の頭の中でカスタマイズしてください。

また改めてみると、IIImが一番クセモノであることが分かります。30パターンの中で一番難しいのもIIImIですから、そこだけは意識的に覚えて、あとは自分のセンスを信じるというのもよいでしょう。

Nexus Matrix

せっかくなので、接続系統を表にしてみました。

マトリックス

行が進行元、列が進行先です。例えば[I行,IIm列]に「C¹」と書いてあることから、「IIImはC1の接続だ」と分かります。

マトリックスの見方

まあコレとにらめっこしながら作曲をするようなことは、あまりオススメしません。楽しくないですからね。それに、結局は3つのコントロール・ファクターの組み合わせでサウンドが決定されるわけですから、暗記しなくても考えればおおよそ分かることです。ぜひ「音楽理論を考える」のではなく「音楽理論で考える」のだと、そういう心構えでいていただきたい。

Nexus Chart

あまり見やすくはないですが、図にもまとめてみましょう。

接続系統図

赤っぽくなっているやつらが要注意である「2族」というわけです。これもまあ、使い勝手がよいものではないですね。

補助輪としての分類

このようにして5系統×2族で分類したわけですが、忘れないでほしいのは、この分類を覚えることがゴールではないということです。接続系理論の本来の意義は、TDS論で6パターンに”圧縮”されてしまったコード進行論を再度”展開”し、30パターンそれぞれを固有の進行として習得していくまでの「補助輪」としての役目です。30パターンを全マスターした後に接続系理論が必要になるのは、伝統的/現代的を意図的にコントロールしたいという時だけです。

だから例えば楽曲分析の際に、コード進行の接続系を全部チェックして、それで「分析完了」の気分になってしまったなら、それは接続系理論が作られた意図とは違います。そこから「なぜここは2周目でIV-VからIIm-Vに変えているんだろう」とかいう風に、「なぜ」を考えるのが分析の本質です。そこは履き違えないように注意して頂けたらと思います。