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進め方のプランを練る

By 2021.10.14序論

1 プランを練ろう

音楽理論をどんな風にモノにして、どう活かしていくかは、かなり大事です。これ次第で理論が面白くもつまらなくも感じられます。このページは、音楽理論を実際に学びはじめていく前に、学ぶ順番と量、そしてその活用のプロセスを練っていく場です。

もちろん気の向くままにやるのでも全く問題ありませんから、ここは、「どういう風に進めていくパターンがあるのかについても参考資料が欲しい」という人のためのページです。

基本となる3つの軸

音楽理論を交えての創作活動の、軸となるものは3つです。

制作
学習
研究

3つめの「研究」というのが地味に大きなポイントですね。理論を学んだあと耳コピやコードの分析などをしてみると、新しい発見があったりします。制作の合間の良いリフレッシュにもなりますしね。ですからこの3つをバランスよく行えるのが、創作活動の理想形です。

1ナレッジ、1プラクティス

基本的な目安として、一つ作曲に生きる知識を覚えたら、それを活かして一曲作るというペースがあって然るべきです。なぜなら、「知識」は短期間でも詰め込むことができますが、耳の能力、すなわち「音感」は身体能力の一種のため、スポーツと同じく地道に積み上げるしかないからです。

そのため本編を進める中で、言葉での説明を聞いて頭では分かる。でもサンプル音源を聴いても耳はピンと来ない…という“ギャップ”の発生は普通にありえます。だからここで「読む」「聴く」ことによって得るものは、学習のゴールではなくスタートだという位に考えてください。これを持ち帰って、分析する、作曲する。そこでようやく学習のワンサイクルが完結するのだというイメージです。

サイクル

2 進め方

メインゾーンである「コード編」「メロディ編」「リズム編」は、主に難易度を元に「章」と称する区切りで分割されています。

章たち

章ごとにテーマが異なり、次の章に進むと暗記量や理論の詳細さに関してグッと一段階レベルが上がるようなイメージです。ですからひとつの章を終えた後には、少し長めの実践期間が挟まれることを想定した作りになっています。

各章ごとのアーカイブ(目次)では、詳細に各章・各節の説明を読むことができます。アーカイブへは、ヘッダーのメニューからアクセスできます。

フリーシナリオ

SoundQuestは、フリーシナリオシステムの学習方式を提案しています。すなわち、メロディ編・コード編・リズム編のそれぞれをどのように攻略していくかは、自由なのです。

フリー

ただし、メロディ編のⅡ章にはコード編のⅠ章が、メロディ編のⅢ章にはコード編のⅡ章が一部前提知識になっているなど、順序に幾らかの制約はあります。それについては、各章ないし各記事の冒頭でその旨が示されます。

制限

ゴール設定

メロディ編はV章、コード編はVIII章、リズム編はII章までありますが、この全てを学ぶ必要は全くありません。序論で述べたとおり、むしろ途中でやめられる方が賢い。ですからまずは、幾つかのメジャーなジャンルを例にとり、どこを最終目標にするべきかの指標を提示しますね。

ゴール設定

実は各編のI章までやれば十分というジャンルが結構あります。なんだかんだ各編Ⅰ章まででも、合計50個くらい記事があります。それだけでも、相当な知識量なのです。
また自由派には禁則がないので、「○○までは進めないと不自由なまま終わる」ということがありません。気軽にはじめて、好きなところで切り上げるということができます。

ただもちろん、これはザックリとした分類の大雑把な目安にすぎません。たとえば「ゲーム音楽」はⅤ章を目安としていますが、オーケストラ調のBGMが作りたいのならⅦ章の知識は絶対に役立ちます。逆に「ギター弾き語り」といっても、コードはシンプルで歌詞とメロ勝負だというならⅠ章の知識で十分。やはり、自分がどんな音楽を作りたいのかを元に決めてください。

「研究」しながらゴール調整

例えば「楽曲を分析していて、出てくるテクニックの大半が知っているモノになってきたから、しばらく理論の学習はやめる」というようなやり方も、オススメです。けっきょく全員にとっての正解というのはなく、個人の環境と目標しだいで、自分に必要なぶんだけ勉強すればいいという心持ちが大切です。

ゲートウェイ

一部の章では、章のはじめに「ゲートウェイ」というページが用意されています。

ゲートウェイページ

ゲートウェイは、その章よりも前の内容の定着度をテスト形式で確認できるコーナーです。択一、並べ替え、リスニングなど様々な形式で、音楽理論の問題が出題されます。

これもまた、「ないよりはあった方がよかろう」という気持ちで設置されたものであり、読み進めていくためにこのテストで高得点を取ることが必須ではありません。前の章の復習なわけですから、その章には直接関与しない範囲の内容も問題に含まれます。

それから先ほども述べたとおり、知識はすぐ身につけられても、音感はすぐには身につきません。なので「楽譜問題はできるけど聴き取りは全然ムリ」というパターンは普通にありえます。そういう場合、音感はまあ今後の長期課題として隅っこに置いておいて、先の章へと進んでいく選択もあるでしょう。そしてもちろんテストによって点数づけなどされたくないと言うのであれば、受験しなければよいことです。

採点

3 編選び

基本的にはメロディ・コード・リズムをローテーションしながら、まずは各編のⅠ章、それが終わったら各編のⅡ章・・・と進んでいくことを想定して当コンテンツは作られていますが、どの編から読んでいくかは自由です。
しかし自由と言われると、逆に迷ってしまいますね。Ⅰ章に関していえば推奨される順序があり、それが「メロディ編→リズム編→コード編」という順です。

おすすめ

これはもうシンプルに、簡単な順で並べるとこうなります。コード編は、和音の知識。やっぱりちょっと難しいんです。まずは親しみやすいメロディ・リズムの話から始めて、理論の世界に慣れた頃にコード編に進むと、より心的負担を少なく進められるはずです。

それ以降は興味のある編からスタートしてもらって、つまずきそうなら気分転換で別の編を読んでみるなどするとよいと思います。

コード編Ⅵ章・Ⅶ章について

コード編のⅥ・Ⅶ章は、それぞれ本格ジャズ理論・クラシック理論の基礎を学ぶ章です。互いに関連性はなく、難易度もほぼ等しいので、好きな方から始めることができます。そしてⅥ・Ⅶ章の両方を終えた人だけが進めるのが、ラストのⅧ章になっています。

どちらでも

4 音楽理論の外側

このサイトで解説される音楽理論がいわゆる「ポピュラー音楽」に的を絞ったものであること、そして西洋音楽理論の外にもたくさんの理論系がある…ということは序論ですでに述べました。しかしそもそもこのサイトも含め「音楽理論系コンテンツ」が扱うエリア外にも、音楽制作において重要なスキルというのは色々とあります。

  • 楽式
    楽曲の構成に関する知識。パートの区分、その数や曲全体の長さ、反復/展開のパターンなど、ジャンルによって定番の形式がある。
  • 編曲
    どんな楽器編成にして、それぞれの楽器にどんな演奏をさせるか
  • ミキシング
    各楽器を左右のどこに配置するか、音量をどうするか。残響の調整、周波数バランスの調整などなど。これもジャンルごとの傾向差が激しい
  • 機材の技術
    楽器や人体を含むハードウェア/ソフトウェア共に、自分のイメージを適切にアウトプットするために必要な技術

そのうち代表的なのがこの辺りでしょう。こうした「音楽理論の外」についてはこのサイトではほとんど紹介されていません。作曲者自身がこのうちのどこまでを担うかが環境によって異なるし、ジャンルによってセオリーに違いがありすぎるし、またどれひとつをとってもそれ専用のウェブサイトがまるまる必要なくらいには奥が深いからです。

楽式論

ポップスでは「メロ/サビ」という区分がおなじみですが、例えばヒップホップには「バース/フック」、EDMには「ビルド/ドロップ」、ジャズには「テーマ/アドリブ」、古典クラシックなら「提示部/展開部/再現部」といったそれぞれの区分があり、楽曲の作りには大きな差があります。

編曲論

電子音楽ならどんな風に楽器を編成するかから考えねばなりませんし、バンドや合唱などで編成が確定している場合でも、フレーズや音域などをどう配分するかの可能性は無限大です。ココがうまくいかないと、「せっかくメロディが良いのに伴奏がゴチャゴチャしてて微妙」なんて事態も起こりえます。

いい編曲をするのにコードやリズムの理論は深く関わってはくるものの、編曲はジャンルごとの違いがあまりにも大きいため、一般化してまとめられません。そのため編曲知識の大部分は一般的な「音楽理論書」では扱われず、別口で「アレンジの技法」「編曲テクニック」といった名を冠するコンテンツで知識を仕入れる形になります。

ミキシング論

そして楽器の数が増えてくると、音源にする時には音の空間的配置や音量のバランスどりも難しくなる。それが「ミキシング(ミックス)」と呼ばれる作業分野で、ここも技術のあるなしで音源としてのクオリティが大きく左右されます。

機材の技術論

自分で演奏(or打ち込み)、編曲・ミキシングを行って曲を完成させるなら、機材に関わる知識は膨大です。例えばドラムのフレーズを作るなら、「ドラマーは4本の手足をどんな風に使ってどんなことができるのか」の知識がきちんとあった方がよい。あるいは「サビの最後の歌フレーズを、間奏の間じゅうずっとエコーさせたい」なんていう時、それを実行するにはエフェクターの知識、編集ソフトの操作に関する知識が必要です。

そして技術以前に、いかによい機材を使うかというのもやはり楽曲のクオリティには大なり小なりの影響を与えるというのは現実としてあります。

「楽式」や「編曲」については、クラシックの世界なんかはココについてもかなり理論化がされていて、「楽式論」とか「管弦楽法」といった言葉で検索すれば、専門的なコンテンツが発見できるでしょう。

しかし、音源制作で「出音のクオリティ」に直結するミックスや機材まわりの知識は、一般に「音楽理論」が指すエリアの外にあります。ぜひこの辺りのバランス感覚、時間の配分感覚というのは意識して頂きたいと思います。


進め方がどうであれ、最も重要なのは急がないことです。実践があって初めて知識は身になります。もし本編を完全制覇するなら、普通に4年はかかっても全くおかしくありません。それは、本編を読むのに4年かかるという意味ではなく、学習・分析・実践をバランスよく行いながら読み進めていったら、終わる頃には4年くらい経っていて当たり前ということです。急がず着実に進みさえすれば、音楽理論を習得することは難しくありません。一歩一歩着実に進んでいきましょう。

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