sus4とsus2

コード編 Ⅲ章:新しい名前
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今回は「新しいコードネームを知る」回です。

以前「セブンスコード」を扱いましたが、あれは音をひとつ足しただけで、大元がメジャー・マイナーコードだということに変わりはありません。その根本に変化を加えてみるのがこの回です。
臨時記号(♯・♭)を使わないで作れる簡単なコードなので、ポップスやロックでよく使われます。



二次ドミナント」と「パラレルマイナー(同主調借用和音)」を知ることによって、かなりコードの幅は広がったように思えます。

Map

しかし、よくよく考えてみると、大元のコードクオリティ自体は、「メジャー」か「マイナー」だけです。その点でいえば、「基本中の基本」の世界から、全く脱していないのです。

基本的なトライアド

ですからこのⅢ章ではついに、メジャー・マイナー以外の変わり種のコードたちを扱っていきます。当然いずれも「異物感」の強いスパイス的存在となるので、使用頻度としては落ちますが、良い「飛び道具」として曲想を豊かにしてくれるはずです。

Ⅲ章はスキップ気味でもOK

このⅢ章は、なかなかイバラの道です。いろんなコードの名前とその構成音を覚えて、活用法をひとつずつ知っていく暗記だらけの章ですからね。

ハイライト

こちらはⅢ章で学ぶコードたちのハイライト。やっぱりなかなか覚えていくのは大変です。だから、次々と紹介されるコードを、「はあ〜 色々あるんですねえ」くらいのノリで一旦やりすごしても、構いません。

馬耳東風

馬耳東風スタイルでけっこう。このサウンドはいいな! と思ったものを自分の曲で使ってみて、その中でひとつずつマスターしていくのが良いです。上のように、コードの構成音を暗唱して覚えるなんていうのはムダです。サウンドとセットで覚えていきましょう

#1 sus4

まずは、コードの真ん中の音、「第三音」を半音上へずらして、「完全4度」にしてしまいましょう。

sus4

こうしてできたコードを、"sus4(サスフォー)"と言います。susというのは“suspended”、「吊るされた」という意味の単語の略です。

音が半音吊り上げられることによって、本来のメジャー感・マイナー感を失ってしまいます。結果として、聞き手は何か落ち着かない感覚を覚えることになります。実際にその不安定さを聴いていってもらいましょう。

Vsus4

sus4の中でおそらく一番よく使われるのが、ドミナントであるVのsus4です。そもそも不安定であるドミナントをsus4にすることで、トップクラスの「タメ」を生み出すことができるのです!

VImIVVsus4V

特にサビ前でよく使われるVsus4Vというパターン。
sus4はとにかく落ち着かないので、上のように普通のコードに戻って安心させるというのが基本です。

スピッツの「春の歌」はsus4の緊張感を生かしたオーソドックスな例。
イントロからAメロ、AメロからBメロに移るところでVsus4が使われています。
一番わかりやすいのは、3:08~の、大サビに入る直前です。かなり長い間sus4でタメているので、sus4のタメ感というものが実感しやすいです。最後にVへ着地したときの気持ちよさが、最高ですね!

Isus4

このVsus4と、他にはIsus4も定番。

IVVIsus4I
Isus4

何か聞き覚えがあるんじゃないかと思います。
Isus4もやっぱり普通のIに解決しないと気持ち悪いですね。Isus4は、サビや曲の終わりでよく使用されます。

sus4は使いやすい

このsus4の良いところは、臨時記号が生じないことです。

sus4たち

IVだけは♭がつくことになるので滅多に使いませんが、他は基調和音どれでもsus4は簡単に使えます。臨時記号が無いので、さほどの”異物感”が無いんです! なので、自然に取り入れやすい。

マイナーコードとsus4

特にマイナーコード群は、「クオリティ・チェンジ」の原理でメジャーコードに変化させることもできるわけですから、sus4してる間は「このあとメジャー・マイナーどっちに行くんだ?」というのが判らないので、かなりドキドキ感の高い”じらし”になります。そこでドン!思い切ってメジャーに行くと、「そっちへ行ったか!!」という良いビックリ感があります。

サプライズ

上のような感じ!絶対どこかで聴いたことありますよね。最後でパァッと明るくなる、VIのうまみを最大限に引き出していると言えます。これでサビへと流れていくなんていうのも定番ですよ!

逆にこういうマイナーコードで、sus4を使ってタメておいて普通にマイナーに落ち着くと、「引っ張った割には普通かよ・・・」というガッカリ感さえあります。

ノーサプライズ

圧倒的な期待はずれ感。しますよね。ですのでこういう「いかにもタメてます、じらしてます」って感じの使い方の場合は、メジャーコードに進んでおくのがいいかも。

#2 sus2

sus4ほどは使われませんが、第三音を下に下げて「2度」の関係にしてしまう"sus2(サストゥー)"というコードもあります。

sus2

こちらもやっぱり、普通のマイナー・メジャーに戻るのが普通。sus4とセットで使う場面も目にしますね。

Isus4IIsus2I

いくつかの曲で、こんな感じのコード進行を聴いたことがあるかと思います。マイケル・ジャクソンの「Black or White」、ジョン・レノンの「Woman」など。

こんな風に、sus4・sus2を活用することで、♯・♭のない安定した世界の中でもさらに彩りを加えることができるようになりました!

この節のまとめ
  • 第三音を上下に動かすことでsus4・sus2のコードが作れます。
  • sus4はコードの緊張感を高める働きがあり、普通のメジャー(マイナー)コードに進むと落ち着きます。

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