シックスコード

コード編 Ⅲ章:新しい名前
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今回は「新しいコードネームを知る」回です。
「セブンスコード」の時に、音を1つ加える四和音というモノを初めて体験しましたが、今回はその続きです。使い勝手の幅広いコードですので、応用次第でどのジャンルでも活躍します。

#1.6thコード

今回は、「セブンスコードじゃない四和音」を見ていきます。7度があるなら当然、6度もある。それが「6thコード」です。
sixth /sɪksθ/ は日本人には発音しにくい単語ですね。アルファベットを額面通りに受け取って「シックススコード」などという表記も見ますが、何だか冗長に見えます。正しい発音を聞くと日本人の耳では”s”と”th”はひとつに繋がって聞こえますから、カタカナで書くなら「シックスコード」の方が近いでしょう。

6thコード

三和音をベースにして、そこに長6度を加えた四和音をシックスコードといいます。上は、よく使われる"Major Sixth(メジャーシックス)""Minor Sixth(マイナーシックス)"の楽譜です。7thの音が「第七音」と呼ばれたように、6thの音は「第六音」と呼ばれます。

#2.サスペンド系としての6th

偶数系の度数ということで、キャラクターとしてはsus4やsus2に少しだけ通じるところがあります。場合によっては、普通のコードに戻らないとスッキリしない場合があるのです。特にI、次いでVは、状況によっては解決した方がスッキリする時があります。

解決


V6を、sus4みたいに使ってみた例です。コード進行はVImIVV6Vです。sus4と同じような「タメ感&着地感」が感じられると思います。

このシックスコードを使ったサスペンドは、IIImでも可能です。

#3.濁り系としての6th

一方、特にサスペンド的な目的ではなく、7thのように音を濁らせる意味で使う場面もあります。

上はI6IM7を繰り返してみたサンプルです。I6は構成音がVImに近くなりますから、暗さを帯びますし、安定感も落ちます。
もちろん普通のIへ進めば気持ちよく解決するのですが、あえてそうしないという選択肢も、アリですね。

#4.IV6は定番

シックスコードの中でも特に使いやすいのは、IV6です。IV6は妙な哀愁のようなものがあり、非常に使い勝手が良い。

IV6

例えばこんな感じ。なんとも言えないイイ雰囲気があります。しかも、特に解決する必要もありません。試しにシックスコードじゃなく普通のにしてみると、下のような感じ。

なんだか味気ないですよね。IV6は病みつきになる魅力を持ったコードです!

#4.マイナーシックス

マイナーシックスコードはさほど使われないですが、もちろん登場するシーンはいろいろとあります。

VIm6の使用例

VIm6として使ってみた一例です。VIm6だと、6度の音には臨時記号がつくことになります。ラから「長6度」の距離にあるのは、ファじゃなくてファ♯ですからね。

それにしても、基本はずっとVImでも、7th,6th,#5と動くことでこれだけのバリエーションが出せるようになったわけですよね・・・ちょっと感動的。

短6度は使わないのか?

長6度を乗せたコードがあるなら、短6度を乗せてもいいのでは? そう疑問に思ったとしたら、なかなか鋭いです。しかし短6度は言い方を変えると「増5度」と同じですから、響きとしては♯5とほとんど変わりません。「異名同音」というやつです。

augとほぼ同じ

ですから現状では、「短6度を乗せたもの=シャープファイヴ」と置き換えてしまって構いません。IV章のラストまで進むと、こうした異名同音についてもきちんと説明をします。

そんなわけで、シックスコードは非常にシンプルでありながら、どのコード上で使うか、前後に何と組み合わせるかによって色々と違った雰囲気を演出できる、いわば“役者”です。色々と試してみるのがよいでしょう。

総括
  • 三和音に長6度を加えた四和音を、「シックスコード」と言います。
  • 基調和音では、IIImIVVであれば臨時記号なしでシックスコードが作れます。
  • 主な用法にはsus4のような緊張感の演出と、セブンスコードのような濁りの付加があります。

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