モニズムの考えを基盤にしてあくまで抽象的にメロディの説明を行うと、おっしゃる通りメジャーとマイナーのメロディ制作に差異がないように聞こえますが、実際に差異がないわけではないと思います。
マイナー調におけるの傾性の再定義は、ハーモニックマイナー・メロディックマイナーについて論じる際には一定の価値があると認識していますが、そもそもメジャー的傾性に従わないからこそマイナーになるんだと僕自身は考えています。
現にコードとスケールはお互いに持ちつ持たれつの関係にあると思いますが、先にマイナーっぽいコード進行やマイナーっぽいメロディが決まっているところにメジャーのコード・メロディを当てはめるのは苦しいと感じるはずです。
なのでⅢ章の短調の傾性で話されているのは、マイナー調の傾性について論じ始めると、「傾性」という考え方自体がメジャー調の専売特許である感が拭えないため、結果としてメロディックマイナーのような「ほぼメジャースケールな音階」が誕生してしまう。という内容だと感じます。だから注釈で「さして重要ではない」と断り書きがあるんだと思います。
自分は、明確なカタルシスがあるのがメジャーで、さして明確なカタルシスを持たずに流れるように進んでいくのがマイナーという見方を基軸に据えています。その分相対的に、より不安定な響きを提示しやすいのもマイナー調の特徴だと思っています。