調律という深い世界

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    「音楽とは何か?」
    について
    調律師の視点で
    切り込んでいます

    実際の音楽と理論との
    関係性のようなものが見えて、
    ほんとうに奥深い…!
    と感じられました^^

    ①ピアニストから受けたクレーム3選

    ②絶対音感の個人差と相対音感

    「羊と鋼の森」という
    調律師を題材にした小説に
    深い感銘を受けた記憶が
    よみがえってきます…

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    調律というと
    わたしは、
    「ピアノは平均律で
    調律されている」と、
    なんの疑いもなく
    鵜呑みにしていたのですが…

    序論

    音楽理論の歴史と流派

    「音楽理論の簡単な歴史と流派」

    「18世紀前半:コード理論の発展」

    バッハ様のつぶやき
    「同期のヤツらが作った理論に
    あーだこーだ言われる筋合いは、
    まあないですよね」

    と述べられているように、

    何故バッハが
    「反ラモー」であったのか?

    これには調律法と調性感をめぐる
    議論があったようです

    この件につきまして、
    少しだけ紐解いてみようと思います…

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    時を同じくする1722年
    バッハは平均率クラヴィーア曲集を
    作曲し、
    ラモーは和声学なるものを
    確立したようなのですが…

    調律法については、

    バッハは
    現在私たちがピアノの調律で
    耳にしている
    「等分平均率」ではなく、
    音程によって微妙に差異をつける
    「不等分調律法」を採用していた

    ラモーは
    「等分平均率」を唱えた
    わけではないのに、
    和声学を確立した為に
    「等分平均率」の代表者
    とみなされてしまった

    という状況にあったそうです

    私は今まで知らなかったのですが、
    バッハの平均率とは
    「ほどよく調整された調律法」
    という意味で
    「半音の間隔が均等ではない調律法」
    だったようなのです

    ※以下の図書を参考にさせて
    頂きました
    「アインシュタインとバイオリン
    音楽のなかの科学」
    (ヤマハミュージックメディア)
    →タイトルに後退りしてしまいそう
    ですが、音楽を専門とされている方々
    による共著本です

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    それでは、
    ラモーが確立した
    和声学とは一体どのようなもの
    であったのか?

    ここで、
    伊福部昭さん著の「音楽入門」から
    ラモーが確立した和声学についての
    見解を引用させて頂きます

    「作曲少女」という本に
    登場する天才女子高生
    “珠ちゃん”が
    「音楽を始める前に、
    すべての人に読んでほしい本」と
    お勧めしていた
    「音楽入門」という本ですが…

    実際に読んでみると
    とんでもなく哲学的で、
    うっかりすると
    一瞬で睡魔に引き込まれるような
    とっても難しい内容の本なのでした😅

    かと思いきや…
    突然目からうろこ的な文面が現れたり、
    しばらく経ってから
    「そういえばあれってなんだか
    すごいこと言ってなかった?!」
    と突然ハットとさせられるような
    本なんです

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    「音楽入門」伊福部昭著
    より抜粋

    ~和声学の誕生~

    18世紀に入ると、
    文化はルネッサンス、バロック
    を通過してロココと呼ばれる時代
    にくるのですが、
    この時代の到来を告げる音楽家は
    ジャン・フィリップ・ラモーです

    彼は18世紀の音楽思考の父祖なのです

    彼の思考は前の時代の、
    すなわちバロックの作家たちのもっていた、非論理的な、半ば以上経験主義的な作曲態度に対して、
    理論的な、しばしば無味でさえある
    理知的な和音の体系によって
    音楽を考える方向に導くのです

    彼の言葉によれば
    「音楽は一定の法則に基づくべき
    数理科学である」というのです
    この見地から
    彼は種々の音の組み合わせ方と、
    その効果に関し考察した和声学という
    一つの学問を確立したのですが、
    彼がここにいう科学とは、
    ピタゴラスが述べたものとも、
    また、ギリシャ時代に考えられていた
    科学とも、
    その意味にかなりの差があるのです

    彼のこの科学主義的思考は、
    当時の管弦楽法の上には、
    極めて有益な改革を示しましたが、
    この和音偏重の主張は、
    それに続く2世紀間に、
    決定的な利益と毒害を
    流すことになりました.
    彼はまた、作曲に当たって
    「我々を導くのは、
    旋律ではなく和声である」
    とさえ述べていますが、
    この思考は、
    現代にあっても必ずしも
    衰えていないのです

    現に音楽学生にそのような方法をとる
    人々を見受けますし、
    また、そのように教える教師も
    少なくないようです

    この主張は、彼以後、
    ダリウス・ミヨーの
    「作曲は結局、
    旋律の創案にかかっている」
    という言葉まで
    約2世紀間生命をもつのです

    ここで注意すべきは、
    ラモーの主張以後、
    ミヨーに至る間の200年の作家たちが
    全部、全面的に彼の主張に
    したがったのではありません
    その間には本質的な旋律家も、
    旋律主義的な作家もいました
    しかしラモーによる思考が、
    音楽の世界を支配していたのは
    動かせない事実なのです

    日本の伝統音楽が
    西洋音楽の輸入以来、
    不当に安価に評価される原因の中には、
    このラモーの思考が
    実に想像以上に大きな役割をしている
    といえます

    ただ一つ
    このように和声理論の確立に努力し、
    40歳になるまで、
    ほとんど作曲ということをしなかった
    このラモーの作品が、
    典雅な音楽的魅力をもっているのは
    不思議です

    一般には内容訴えに乏しい
    といわれているこの作家は
    必ずしもそうでないようです
    後世、ドビュッシーが
    彼の音楽を讃えた
    「ラモー頌(しょう)」
    を書いたことをとっても
    このことは明らかです

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    「平均律」が「平均率」になっていましたので、改めて…😅

    時を同じくする1722年
    バッハは平均律クラヴィーア曲集を
    作曲し、
    ラモーは和声学なるものを
    確立したようなのですが…

    調律法については、

    バッハは
    現在私たちがピアノの調律で
    耳にしている
    「等分平均律」ではなく、
    音程によって微妙に差異をつける
    「不等分調律法」を採用していた

    ラモーは
    「等分平均律」を唱えた
    わけではないのに、
    和声学を確立した為に
    「等分平均律」の代表者
    とみなされてしまった

    という状況にあったそうです

    私は今まで知らなかったのですが、
    バッハの平均律とは
    「ほどよく調整された調律法」
    という意味で
    「半音の間隔が均等ではない調律法」
    だったようなのです

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    再び「音楽のなかの科学」
    に戻りますと…

    ラモーの和声理論は、
    和音の「転回形」や「根音」
    という考え方を
    はじめて明確に示したことで、
    近代和声理論におおいに貢献しました

    ~中略~

    ラモーは
    ドーミーソ、ミーソード、ソードーミの
    3つの和音とも、
    「ド」を根音とする同じ和音の転回
    であることを明らかにしました

    この和音の転回形や根音
    についての理論では、
    「暗黙のうちに平均律が前提」
    とされている為に、
    「ラモーが等分平均律の代表者」
    とみなされるようになったと
    話が展開されています

    「暗黙のうちに平均律が前提」と
    いう少しあいまいな表現については、

    「どんな音が基準(根音)になっても、
    転回形という概念を一般化する為には、
    半音の間隔が均等である必要があった」
    と私は理解しました

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    ここで一休みです…

    「転回形は同じ和音の異なる響き」
    これを倍音の観点で眺めてみますと、
    以下のようになります

    ★が共有倍音で
    3度の音に着目すると、
    基本形では、第4倍音で根音と共鳴
    第1転回形では、第8倍音で根音と共鳴

    ※ローマ数字は根音からの度数、
    ○数字はオクターブを示しています

    ◆基本形
    Ⅰ①

    Ⅰ①➕Ⅰ②➕Ⅴ②➕
    Ⅰ③➕★Ⅲ③➕Ⅴ③➕
    Ⅶ♭③➕Ⅰ④➕etc.

    Ⅲ①

    Ⅲ①➕Ⅲ②➕Ⅶ②➕
    ★Ⅲ③➕Ⅵ♭③➕Ⅶ③➕
    ➕Ⅱ④➕Ⅲ④➕etc.

    ◆第1転回形
    Ⅲ①

    Ⅲ①➕Ⅲ②➕Ⅶ②➕
    Ⅲ③➕Ⅵ♭③➕Ⅶ③➕
    ➕Ⅱ④➕★Ⅲ④➕etc.

    Ⅰ②

    Ⅰ②➕Ⅰ③➕Ⅴ③➕
    Ⅰ④➕★Ⅲ④➕Ⅴ④➕
    Ⅶ♭④➕Ⅰ⑤➕etc.

    転回は平均律を前提としているのに、
    和音の分析に純正律(倍音列に基づく
    音律)を持ち込むのは、
    多少の矛盾がありますが…😁

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    本論に戻ります^^

    なんとなく察してしまっている
    かもしれませんが、

    ラモーが示した転回形の概念のように
    「どんな音を基準にしても、
    音と音との関係性を同じように捉える
    ことができる」
    という平均率を前提とした一般化は、
    「調性は長短24色ではなく
    2色で事足りるのでは?」
    という素朴な疑問につながっていく
    のでありました

    「音楽のなかの科学」より抜粋
    ~~~
    バッハが亡くなってしばらく経つと、
    ドイツで調律法に関する問題
    が浮上してきました
    等分平均律がよいのか、
    それとも不等分調律法がよいのか
    という問題です

    等分平均律をとる人々は
    ドイツでは「ラモー派」と呼ばれ、
    彼らと伝統的な方法を指示する人との
    間で論争が起こりました
    前者の論客はマールプルク
    という人物、
    後者はキルンベルガー
    (バッハに師事した作曲家)でした

    ~中略~

    キルンベルガーとその支持者は、
    マールプルクの主張する等分平均律
    の発想に強い反発を表明しました

    この批判の骨子は、
    調律法という技術的な問題ではなく、
    調律と表現の問題が論点
    となっていきました

    それによると、
    等分平均律であればハ長調もニ長調も
    ひとつの調が主音の音程の高さを
    変えるだけであり、
    それぞれの調の性格の表現が
    十分に発揮されないというものでした

    それだけでなく、
    各調の表現の多様性も、
    キルンベルガーとその支持者の論拠
    でした
    ~~~

    すなわち、
    「調によって全音と半音の関係が
    微妙に異なる不等分調律法であれば
    各調の多彩な性格を表現できる」
    というのが、
    バッハ派(?)の主張なのでした

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    前回の投稿にて、
    誤記がございました😅

    (誤)
    平均率を前提とした一般化
    伝統的な方法を指示する人

    (正)
    平均律を前提とした一般化
    伝統的な方法を支持する人

    キルンベルガーとマールプルクとの
    論争は、最後は大バッハの次男の
    エマーヌエル・バッハに、大バッハが
    どのような考えを持っていたかを
    問い合わせることになったようで…

    「父は反ラモーであった」
    という一言により、
    この論争はひとつの決着をみた
    ようです

    それぞれの調の個性について
    熱い議論が交わされる程、
    この頃の人々は敏感な耳を
    持っていたということになりますが、

    不等分調律から等分平均律への
    移行に伴い、
    「音律を合理化することによって、
    その後の西洋音楽は、
    より複雑化で巨大な作品を生み出していくわけですが、
    その反面、
    人々は音程の細かなニュアンスを識別できる能力を失っていったともいえます」
    とも述べられています

    私個人の身近なことに置き換えて
    考えてみますと、
    レコーディング機材のデジタル化への
    移行に伴い、デジタル化された音は
    加工しやすい反面、
    アナログの音に比べると
    「なんだか貧しい音!」
    と当初感じていたことを
    最近ではあまり意識することが
    なくなってしまったのは、
    デジタル環境に飼い慣らされて
    私の耳が貧困になってしまったのかも
    しれません😅

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    改めまして.,.

    ~~~
    「近代化は、平準化でもあり、
    機能化でもありますが、
    同時に制度化でもありました
    楽典という教科書には
    微細な音程が記されることも、
    音階による性格相違が説明されることも
    ありません」

    不等分調律法から等分平均律への
    移行に伴い、
    「音律を合理化することによって、
    その後の西洋音楽は、
    より複雑で巨大な作品を生み出して
    いくわけですが、
    その反面、
    人々は音程の細かなニュアンスを
    識別できる能力を失っていった
    ともいえます」
    ~~~

    次回は、
    同じく「音楽のなかの科学」より

    ①不等分調律法の発想の起源
    ②等分平均律の発想の起源

    についてのお話を少し
    ご紹介させて頂きます

    序論

    音楽理論の歴史と流派

    「音楽理論の簡単な歴史と流派」

    「16-17世紀 : コード理論の芽生え」

    に登場する
    ジョゼッフォ・ツァルリーノさん
    に関連したお話となります^^

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    それでは、

    ①不等分調律法の発想の起源

    バッハの不等分調律法は
    ツァルリーノが1571年に確立した
    中全音律(ミーントーン)という調律法
    の改良版と考えられていまして…

    「中全音律」とは
    純正5度よりも
    純正3度の響きを優先した調律法で、
    ルネッサンスの合唱全盛期の時代には
    柔和な3度の響きが好まれた
    という時代背景があったようなのです

    ここで突然
    純正律の5度、純正律の3度
    などと
    純正律というものが登場しましたが、
    純正律とは
    「倍音列にもとづいた音律」です
    そう、あの”倍音”さんです😁

    ある音(基音)が鳴ったときには
    同時に以下のような倍音が
    鳴り響くわけですが、
    この構造をみれば一目瞭然で
    基音と3度と5度は仲良くない
    はずがないんです!😁

    Ⅰ①

    Ⅰ①➕Ⅰ②➕Ⅴ②➕
    Ⅰ③➕Ⅲ③➕Ⅴ③➕Ⅶ♭③➕
    Ⅰ④➕Ⅱ④➕Ⅲ④➕etc.

    ※ローマ数字は基音Ⅰ①からの度数、
    ○数字はオクターブを示しています
    Ⅰ②を第2倍音、Ⅴ②を第3倍音…
    などと呼びます

    3度の響きを優先する
    「中全音律」という調律法の
    発想の原点について、
    私は以下のように理解しました

    「中全音」とは
    純正律に現れる”大全音”と”小全音”の
    “中間の全音”という意味なのですが、

    “大全音”とは
    第8倍音と第9倍音の音程差
    (ドとレの音程差)

    セント差でいうと
    1200×log2(9÷8)
    =204セント

    “小全音”とは
    第9倍音と第10倍音の音程差
    (レとミの音程差)

    セント差でいうと
    1200×log2(10÷9)
    =182セント

    ということで、
    「中全音律は
    全音の音程差を
    大全音と小全音の中間である
    193セントくらいにした調律」
    ということになります

    全音を193セントくらいに
    調律すれば
    長3度の音程が386セントになり、

    純正律の長3度
    すなわち第4倍音と第5倍音の音程差

    1200×log2(5÷4)
    =386セント

    になる
    という理屈です

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    次に、
    完全5度優先で音律を考えてみます

    これは「ピタゴラス音律」
    そのもので、
    完全5度の音程を重ねていくと

    Ⅰ①×3/2(完全5度上)→Ⅴ①
    ×3/2(完全5度上)→Ⅱ②
    ×︎3/2(完全5度上)→Ⅵ②
    ×3/2(完全5度上)→Ⅲ③

    となり、

    「ピタゴラス音律」での
    Ⅰ①とⅢ③の音程差は
    1200×log2(3/2×3/2×3/2×3/2)
    =2808セント

    となります

    一方で、
    純正律では
    Ⅲ③を2オクターブ上(2×2)
    の長3度(第4倍音と第5倍音の音程差)
    と考えると、

    「純正律」での
    Ⅰ①とⅢ③の音程差は
    1200×log2(2×2×5÷4)
    =2786セント

    となります

    2つの音律における長3度には、
    約22セントの差異
    (シントニック・コンマ)
    があることがわかります

    ピタゴラス音律の長3度
    よりも
    純正律の長3度のほうが
    響きがよいため、
    同じ長3度でも
    「長3度を純正律にした音律が
    支持された」
    わけですが…

    ツァルリーノの「中全音律」では
    シントニック・コンマ
    (約22セント)を4分割し、

    Ⅰ①~Ⅲ③に現れる4つの完全5度を
    約5セントずつ均等に狭めることにより
    「長3度を純正律とする音律」を実現した
    と要約されています

    純正律の長3度の響きを
    優先した為に、
    完全5度に少し我慢してもらった
    ということで
    イメージ的には、
    以下のような感じになってるのでは?
    と思われます

    Ⅰ①

    193セント

    Ⅱ①

    193セント

    Ⅲ①→純正3度(386セント)

    118セント

    Ⅳ①

    193セント

    Ⅴ①→完全5度より狭い(697セント)※


    ※補足
    完全5度の音程差は
    ピタゴラス音律、純正律ともに1200×log2(3÷2)
    =702セントです

    yuta
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    このサイトにはいろんな妖精さんが
    いらっしゃるようで、
    私が勝手に呟かせて頂いている
    数々の投稿に対しても
    人知れず同意して下さる方が
    ほんのわずかでも実在するというのは
    なんともありがたいことと
    感じております😂
    感謝の気持ちしかありません🙇

    play music !
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    続きまして、

    ②等分平均律の発想の起源

    ここに登場するのは、
    ツァルリーノの弟子で
    ガリレオ・ガリレイの父でもある、
    ヴィンツェンツォ・ガリレイです

    「音楽のなかの科学」より抜粋
    ~~~
    音程の合理化の思想は、
    16世紀後半になるとさらに
    加速されていきます
    この合理化が促進されたのは、
    やはり器楽の発達でした

    おもしろいことに、
    平均律という考え方は、
    フレットを持つ弦楽器の演奏家によって
    発想されました

    リュートやヴィオラ・ダ・ガンバレット
    などの弦楽器は、
    棹にフレットがついていますが、
    その間隔ごとに音程をとっていく方法が
    結果的に平均律を導いていった
    と考えられています

    音楽理論の面で、
    この平均律の理論を最初に提唱した
    もっとも重要な人物が、
    イタリアの大科学者、
    ガリレオ・ガリレイの父、
    ヴィンツェンツォ・ガリレイでした

    ガリレイはルネサンス後期の重要な
    音楽家で、リュート奏者である
    とともに、バロック時代になって
    開花したオペラの初期の実験者でも
    ありました

    ~中略~

    ガリレイは
    微細な音程を追求するのではなく、
    リュートの演奏をもとに、
    中全音律以上に合理的で実践的な
    音律論に着目しました

    すべての半音を均等な数比で表せば、
    微細な音程の問題は解消される
    であろうという発想を、
    16世紀に提唱したのが
    ガリレイだったのです

    彼は、
    半音をすべて18:17の数比でとること
    によって、
    オクターブの12音を
    ほぼ均等の音程間隔にすることを
    提唱しました

    つまり、オクターブという音程を
    どのように分割するかという発想でも
    なければ、
    整数倍の振動数の倍音という発想でも
    ありません
    単位となる半音の音程を同じにすれば
    よいという考え方です
    ~~~

    ガリレイの提唱した半音の音程は一律
    1200×log2(18÷17)
    =99セント
    となり、
    平均律は半音が100セントですから
    平均律とほぼ同じ調律であった
    ことがわかります

    フレットを持つ弦楽器は
    フレットを打ちつけたら
    変更できないという実情がある為に、
    実践上の理由から
    平均律という発想が生まれたのでは?
    と想像することもできます

    play music !
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    おまけの余談となりますが…^^

    純正律の音階が
    どのように構成されているかを
    調べてみますと

    「トニック、
    サブドミナント、
    ドミナントが持つ
    それぞれ独自の機能により
    調性を確立する」という機能和声と
    純正律との関係性が垣間見えます

    The Feynman Lectures on Physics, Volume I
    Harmonicsより抜粋
    ~~~
    We may remark in passing that
    the major scale can be defined
    just by the condition that
    the three major chords
    (F–A–C); (C–E–G); and (G–B–D)
    each represent tone sequences
    with the frequency ratio (4:5:6).

    These ratios—plus the fact
    that
    an octave (C–C′, B–B′, etc.) has the ratio 1:2

    —determine the whole scale
    for the “ideal” case,
    or for what is called “just
    intonation.”

    純正律によるメジャースケールは、
    「(F–A–C)、(C–E–G)、(G–B–D)の
    3つのメジャーコード
    を構成するそれぞれの音の周波数比が
    全て4:5:6」
    という条件と、
    「1オターブの周波数比が1:2」
    という事実から定義される
    ~~~

    「この3つのメジャーコードが
    登場すると、
    Cメジャーの音階をイメージして
    しまう」
    ということなのかもしれません

    実際に確認してみますと、
    この定義から
    大全音が9/8、
    小全音が10/9、
    半音が16/15
    の音程差となる
    純正律のスケールが導かれます

    エレガントな確認方法では
    ないかもしれませんが…

    3つの和音のそれぞれの構成音が
    4:5:6となるように音律を
    考えてみますと、

    F3―A3―C4―E4―G4―B4―D5 ※1
    ※1 数字はオクターブを表しています

    16―20―24―30―36―45―54 ※2
    となります
    ※2 数字は音の高さを表しています

    「1オターブの周波数比が1:2」
    ですので、
    D4は54÷2
    F4は16×2
    A4は20×2
    C5は24×2

    ということで

    C4―D4―E4―F4―G4―A4―B4―C5

    24―27―30―32―36―40―45―48
    となり

    音程差がそれぞれ
    9/8 10/9 16/15 9/8 10/9 9/8 16/15
    となっていることがわかります

    私は倍音に関するスレッドで
    倍音列を何回も眺めていましたので、
    ドとレとミは
    第8倍音、第9倍音、第10倍音に、
    シとドが
    第15倍音、第16倍音に
    現れることが頭に焼きついてしまい
    純正律の音程差を倍音列の音程差
    として理解しております😁

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