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メジャーコードとマイナーコード

前回は、主要な6つの和音が2タイプに分かれるところまでを説明しました。

縦に積んで比較

半音数の目盛りで言うと、[0,4,7]という積み方をしているか、[0,3,7]という積み方をしているかの差。この2タイプの違いを深く理解していきます。

1. コードの命名や記法

今回はまず音より先に、名前の方から紹介します。タイプ1の方のコードはその名称をメジャーコードMajor Chordといい、対するタイプ2の方はマイナーコードMinor Chordといいます。

メジャーとマイナー

これはメジャースケール/マイナースケールだとか、メジャーキー/マイナーキーという対比と共通するところがありますね。

コードネーム

そして個々のコードを指し示す時には、アルファベットの音名を利用します。

音の名前

例えば「ドミソ」の和音は、「Cの音から始めて作ったメジャーコード」なので、Cメジャーコードと呼ばれることになります。同様にして、「ラドミ」だったらAマイナーコードとなります。

CメジャーとAマイナー

「コードの話をしている」という文脈がある場合には、上のように単に「Cメジャー」「Aマイナー」と言っても十分に通じます。これがコードの名前、すなわち「コードネーム」と呼ばれるものです。

コードシンボル

しかしいざ楽譜にコード名を書くときには、「メジャー」「マイナー」といちいち書くのは億劫です。そこで、より簡潔な記号が用いられます。それがこちら。

CとAm

メジャーコードは最も代表的なコード種であるので、「何もつけない」ことが「メジャーコードである」ことを意味します。これには圧倒的権力みたいなのを感じますね。
他方でマイナーコードについては、“minor”の頭文字をとり、「小文字のm」で表します。これは小文字にすることが必須であり、大文字ではいけません。

このように簡略化されたコードネーム記号のことを、 コードシンボルChord Symbolといいます。

表記のバリエーション

コードシンボルには方言のように様々なバリエーションがあります。代表的なところだと……

バリエーション

これくらいです。①は小文字のmに対比させて大文字のMを書こうというアイデア。②は丁寧な部類の表記で、古めの理論書でしばしば見られます。③は逆に記号化を徹底したという感じですね。

しかし、何もつけなくていいはずのメジャーコードに何かゴテゴテつけるのは全く推奨されないことです。書かないと何か別の勘違いをされてしまうという時に、やむなく付けることはあるかもしれません。そしてその場合には、最も誤解を生じにくいのは「maj」の表記でしょう。

マイナーコードに関しては、「-(マイナス)」の記号は「手で書く時に速い」というメリットと「読む時に見落としやすい」というデメリットを持っていて、まあ一長一短ということで、特にジャズ系の理論書で採用されることがあります。

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