「harmonics(倍音)」を確認する方法について
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play music !2021.6.19 08:58
「コードトーンの半音上が嫌われる理由」への投稿がきっかけで、
「協和とは何か?」についてあれこれと考えていたところ
意外な視点での「協和とは?」にたどり着きました
それはファインマンの「harmonics(倍音)」に関するレクチャーの中にありました
→
https://www.feynmanlectures.caltech.edu/I_50.html
一般に物理というと難解で縁遠いイメージがありますが、
ファインマンは直感的かつ実用的な方法で「協和とは?」
について語っています
身近な道具を使って、複雑な自然界の現象の本質を「あぶり出す」
のがファインマン流です
まずファインマンの「協和とは何か?」を
理解する為の道具の要約ですが…
①周波数がわずかに異なる2つの音の波を重ねると
beat(うなり)という現象が発生する
→ギターをやっている人は、この「うなり」を利用して
2本の弦を弾きながらこの「うなり」がなくなるまで
ペグを回して調弦するというおなじみの現象ですね…
②noise(雑音)にはeardrum(耳の鼓膜!)が不規則に振動する
という特徴がある
③musical tones(楽音)には耳の鼓膜が周期的に振動する
という特徴がある
④楽音は周期性のある音の波であり、
harmonics(倍音)の重ね合わせとして表現できる
④については、芥川也寸志さんが「音楽の基礎」という本の中で
以下のように述べられています
「Cの音をピアノで鳴らすと、
通常はこの音が1つだけ鳴っているように聞こえるけれども、
じつはかすかにそれ以降の音群が鳴り響いていて、
これらの音を基音Cに対する倍音という。
その響きは低次の倍音ほど大きく、高次の倍音ほど小さい。
和声とは、この基音をふくめた低次倍音を、
基音と同じ強さで同時に響かせたものに他ならない。」
以上を踏まえて、「協和とは何か?」が語られます
【Quality and consonance(音色と協和)】
〜音色の記載省略〜
We understand that two similar strings with lengths in the ratio of 2 to 3
will have fundamental frequencies in the ratio3 to 2.
「G音とC音の周波数の比は3:2なんだけど…」
But why should they “sound pleasant”together?
「でも、なんで同時に鳴らすと心地よく響くの?」
Perhaps we should take our clue from the frequencies of the harmonics.
The second harmonic of the lower shorter string will have the same frequency as the third harmonic of the longer string.
「たぶん、C音の第3倍音とG音の第2倍音の周波数が同じだからじゃない?」
楽音は倍音で構成されているという仮定から、
下記のG’音を共有しているから協和していると感じるのでは?
と主張しています!
C ♪ → C ➕C'(2)➕G'(3)→Cの第3倍音!➕C”(4)➕E”(5)➕G”(6)➕etc…
G ♪ → G ➕G'(2)→Gの第2倍音!➕D'(3)➕G”(4)➕B”(5)➕D”(6)➕etc…
カッコ内は基音に対する相対的な周波数(=倍音の序数名)です
C’はCの1オクターブ上の音、C”はCの2オクターブ上の音です
ファインマンはこれを一般化して
consonant(協和)とdissonant(不協和)を以下のようにルールづけしています
→
2つの音が「同一の倍音を共有している時に協和している」
と感じ、
2つの音の「高次の倍音がrapid beat(急速なうなりの現象)を生み出す時に不協和」
と感じる
「えっ!そうなの?」って感じです
確かに不協和音程と呼ばれる「短2度」とか「3全音」の音程は、
2つの音が同一の倍音を持たず、うなりが耳を刺激しているように感じられます
前置きがずいぶんと長くなってしまいましたが…
ここからが、本題の「倍音を確認する方法について」のお話です😅
「基音の音が強すぎて、実際に倍音を聴き取るのは相当難しい!」と
いくつかの本で読んだことがあるのですが、
ファインマンは以下のやりかたで
「倍音が鳴っていることを確認できる」と語っています
It is easy to check on the harmonic relationships we have described by some simple experiments with a piano.
C音を鳴らすと以下の音が同時に鳴っていることになりますが…
C ♪ → C ➕C'(2)➕G'(3)➕C”(4)➕E”(5)➕G”(6)➕etc…
ピアノでC’音の鍵盤をゆっくり押すと音は鳴らないけど、
ピアノのダンパーが持ち上げられます
次にC音の鍵盤を押して音を出すと、
C音の第2倍音であるC’音が同時に鳴ってC’音のピアノ弦を震わせます
C’音の鍵盤を押さえたままC音の鍵盤を離すと、
C音のダンパーがC音を止めますが
ダンパーが持ち上げられているC’音はかすかに鳴ったままである
私の自宅には本物のピアノがないので、
「このやり方でほんとうに倍音が確認できるのか?」
をピアノを所有されている方にお伺いできればと思い
投稿させて頂きました
追伸
ここに登場する「ピアノのダンパー」というキーワードから
以前友達が教えてくれた「羊と鋼の森」という
ピアノの調律師を題材にした小説をふと思い出したのですが…
つい最近図書館からその本を借りて読み始めると、
ぐいぐいと引き込まれて
電車の中でうっかり泣きそうになりました笑笑
興味を持たれた方は機会があればぜひ読んでみてくださいませ
play music !2021.6.23 14:40自己レスとなります
本件、
「ギターでは確認できませんか?
確認できそうな気がしますが…」
と友人から何気ない指摘がありました
「おおっ! そういう発想が全くなかった!!」
という気持ちと同時に
なんだか本当に確認できそうな気がして、
変に心がざわつき始めました笑笑
結論から申し上げますと、
「倍音が本当に鳴っていることを、
アコースティックギターを使って確認することができます!」
実験その①
1. ギターのボディに耳をぴったりつけます
2. 2弦から5弦に軽く指を触れて、2〜5弦が振動しないようにします
3. 6弦を指で鳴らした後に6弦を指で消音します
4. 1弦が震えたままであることが聴き取れます
5. チューナーで音名を確認してみると「E」が点滅していましたが、6弦E音に反応しているのか1弦E音に反応しているかは不明でした実験その②
1. 1弦と3〜5弦に軽く指を触れて、1弦と3〜5弦が振動しないようにします
2. 6弦を指で鳴らした後に6弦を指で消音します
3. ギターのボディに耳を当てなくても、2弦B音が響いているのがはっきり聴き取れます4. チューナーももちろん「B」が点滅しています!
5. 6弦E音の第3倍音である2弦B音を捕まえたことになります!実験その①は、
1弦E音が6弦E音の第4倍音だから、
実験その②と比べると難易度が高かったのかなと思われます
実験その②は、
チューナーも反応するほど倍音が強く響いており、
倍音が実際に存在することのより強力な証明となりました
もちろん倍音の確認ができたからといって、
よい音楽が作れるようになるというわけではありませんが
ちょっとした感動がありましたので
興味を持たれた方は体感してみて下さいませ!
makaroni2021.6.23 19:46ピアノのお話に関して、おっしゃる方法で実現可能です。
ギターのハーモニクスをピアノでやってる動画
こんな感じに1つの弦から基音とは異なる音が出ています。
他にも適当な音域の鍵盤を腕全体でできるだけ多くゆっくり押さえて低い音を強めに弾いてすぐに離すと、その低い音の倍音に共振した弦の音がたくさん聞こえてきます。
もし生のピアノに触れる機会があればぜひ試してみてください。不思議なサウンドです。
シェーンベルクの曲など倍音を生かしたピアノの近代曲とかもありますね。
また、生楽器のアンサンブルや特にコーラスとかだと、ハーモニーがうまくいっていれば倍音が綺麗に強調されて聞こえてきます。
例えば
これとかわかりやすいです。
ジャンルで言えばホーミーとかブルガリアンボイスのサウンドですね。
シンセサイザーが得意でしたら、自分で倍音列に合わせて正弦波を鳴らして音色と作ってみるのも面白いかもしれませんね。
play music !2021.6.25 06:26ご返信いただきまして、ありがとうございます!
「適当な音域の鍵盤を腕全体でできるだけ多くゆっくり押さえて低い音を強めに弾いてすぐに離すと、その低い音の倍音に共振した弦の音がたくさん聞こえてきます。
不思議なサウンドです。」
→これは生のピアノでぜひ体感したいですね!
倍音の存在が”誰にでもわかりやすく感じられる”という観点では、
この体験が最も説得力があるのでは?!と想像できます
知識などなくても素直に受け止められそうで、
私の中では勝手に倍音確認方法の第1位とさせていただきます🤔
ピアノのハーモニクスは、
たとえば素直な小学生から
「弦を触っているから、基音と異なる音が鳴っているんじゃないですか?」
という冷静な疑い(笑)がかけられる可能性があるかも?とちょっと思いました
個人的には弦楽器のハーモニクスって「奏法の一種」というイメージが強すぎて、
私の中では倍音との結びつきがこれまで全くありませんでした!
「ハーモニクスってそもそも倍音のことだろ?」って一笑されてしまいそうです😅
コーラスにつきましては、
「言われてみたら、そっそっかなぁ?(^^;」という感じで、
私レベルの聴覚では特定の周波数を強調するイコライザーなしでは
気づけないほどめっちゃ難易度が高かったです!
同一の話題が異なる視点で発展していくところが
コミュニティの強みですね🙂
ありがとうございました!
play music !2021.6.26 09:33私が完全にすっ飛ばした「音色」につきまして、
最後の追加コメントをさせて頂きます^^
シンセに触れたことはないのですが、
最近のDTMの音源とかを聴いてみると
新しい音色の発見という点ではいろいろな可能性が
あってほんと面白いなぁと思います
問題は、実際に存在する楽器を再現した音源です
たとえばoboeの音源を極限まで微調整すると
非常にリアルなoboeの旋律に聴こえてきます
この先、AIの処理能力がプロの棋士を超えてしまうように、
デジタル音源が限りなくリアルな楽器の音に
近づく未来がやってきても不思議ではありません
ただ、今現在言えることは、
生の楽器とか生の声の音って
実際に音にしてみるとやっぱり全然違うんですよね
存在感が違う!と言ったらいいのでしょうか?
レイラ・ハサウェイの声は
深みのある声で私の心に何かを訴えかけてきます
→レイラハサウェイ「something」
こんな声で歌えたらいいなぁ
「もうどんな倍音持ってるの?!」って感じです笑
6分〜6分30秒あたりでは
凄すぎてみんな思わず笑っちゃってますね!
きたかみさん2021.6.30 15:31レイラハサウェイ「something」の6:00〜は
何度見ても凄くて驚いて、一緒に笑ってしまいます(’-’*)♪
レイラハサウェイの歌声とは違いますが、
倍音の歌唱についてはこの動画をみると非常に参考になります。
動画のようにovertone singing を使ってソロボーカルの合奏(?)をすると、
ミクソリディアンやドリアンの自然さが周波数比として確認できるので良いです。
動画内にもありますが、上方倍音の認識を逆転させた物として下方倍音を認識すると、
短調っぽさのでる音規則のヒントが妄想できます。
歌唱だけでなく、既存のコードシンボルによる作曲の枠組みに、
ソロボーカルを想定した倍音アレンジを含めて考えると、
斬新なものや、民謡っぽいもの(4度の音楽とか呼ばれるもの)など
和音つけの発想の一つとして、倍音の観点は強力だと思います。
play music !2021.7.2 07:19ご返信頂きまして、ありがとうございます!
レイラハサウェイの「something」笑っちゃいますよね!
わたしもとある方から教えて頂いたのですが、
共感して頂けてよかったです*^^*
もちろんこれはある種のちょっとしたパフォーマンス
だとは思うですけど、
全体のオーケストレーションがとても心地よくて
わたしもこの演奏のクオリティにはまって
何回も観てました
数年前にレイラハサウェイのライブに行ったんですけど、
声の音色の豊かさと、独特なリズム感に圧倒されましたね
お父さんのダニーハサウェイはもはや伝説の人という存在ですが、
わたしの感覚ではレイラハサウェイもすごい!
と感じています
にしても…!
またまた凄い動画が打ち返されてきちゃったって
感じです(^^;
困るんですよねー、こういうの…
ひじょーに困ります!
だ、だって絶対聴き入っちゃうじゃないですかー!😁笑
まずはできるだけあらゆる先入観を捨て去って、
音だけに集中して聴いてみようと思います!
2つの音が同時に鳴ってるだけじゃなく、
倍音だけ3連のリズム刻んじゃってるし!
なんなんですか、これは?!笑笑
わたしが感じる様々な印象を言葉にしてみますと、
仏教のお経の中に感じる独特なハーモニー感…
中国の二胡という楽器の音色感…
「荒城の月」のメロディ感…
短調っぽいメロディ感…
口笛の音色感…
ひとつの音から別の音が生みだされる感…
などなど…
取り急ぎのご連絡となります
じっくり聴いた後に改めてまたコメントさせて頂きますね
ありがとうこざいました!!
play music !2021.7.11 03:51overtone singingのレポート第1号となります
私自身の「覚え書き」のような
感じの文章になってしまっておりますが、
ご了承下さいませ(^^;
「1.overtone scale」について
基音を一定にして、倍音を動かしてみる
(ここでは基音C4♯に対して第10倍音
まで発声しています)
通常スケールというと1オクターブ内の音の並び
をイメージしてしまいますが、
「オクターブをまたがったスケール感も存在するのだ!」と
私は解釈致しました
第10倍音以降はどうなるんだろう?
と思っていたら
倍音列って隣り合う2つの音の音程差が
どんどん狭くなっていく
無限階段の構造になってるんですね
最初が2倍、次が3/2(1.5)倍と…
音程差の比率が限りなく1倍に近づいてゆく
上りのエスカレーターの終点付近で
階段が折りたたまれていくイメージといったら
よいのでしょうか?
だから高次の倍音には
私たちが普段扱っていない音が
たくさん含まれているんだなぁと気づきました
あとは、改めて「ソ」って
1オクターブ内で考えるとど真中の高さの音なんだなぁ
と感じたのと
第10倍音までに現れる音って
ドミソレ(シ♭は音響学上の音から少しずれている)
だけなんだなぁと…
ここからは、
overtone scaleの音を聴いてみて
私の中でイメージされた印象
について述べさせて頂きます
①Anna Mariaさんの基音の発声が、
熟練されたお寺の住職さんの
発声を思い起こさせました
かねてよりお寺で耳にするお経には
何とも言えない不思議なハーモニー感
みたいなものを感じており、
「これはいったい何なのか?」
と疑問に思っておりましたが…
熟練された住職さんの発声法が、
「ひょっとしてある特定の倍音を
強調しているのではないか?」
と想像してしまいます
②A6♭-B6-A6♭ → A6♭-F6-A6♭の
3連符を刻みながら降下してゆく
このメロディーラインから、
サン=サーンス交響曲第3番の
第2楽章(138小節目〜)に現れる
非常に印象的なメロディが
思い出されました
スコアを確認してみますと、
1stバイオリン、2ndバイオリン、そしてチェロが
オクターブユニゾンで降下するメロディライン
となっていました
(C-E♭→C-E♭-D♭→G-D♭-C-C♭)
このオクターブユニゾンは、
降下するメロディラインを強調するだけでなく
チェロを基準にすると第2倍音(2ndバイオリン)と
第4倍音(1stバイオリン)が強調される構成に
なっているということになります
私がこのメロディラインに
強い印象を感じていたのは、
このような倍音を強調する
オーケストレーションにも
理由があったのだ
という発見がありました
どうでもよい個人的なお話になってしまいますが、
交響曲といえば他の強力なライバルたちを抑えて
私の頭の中では間違いなく
このサン=サーンスの3番が必ず浮上してきます
ただし、この曲に限っては
小澤征爾さん指揮による
躍動感あるサン=サーンスしか受け入れられない
体質になっております(^^;
気がついたらそうなっていただけで
何故かを問われても
私にはどうすることもできません笑
小澤征爾のサン=サーンス3番を聴くと
私の心が勝手にざわつき始めるという
事実を否定することができません
③音とは無関係ですが、
Anna Mariaさんの右手の動きがあまりにも美しすぎて
あたかも右手の舞踊風の動きに操られて
倍音が発声されているような
錯覚に陥りました^^
④どのようにしたらこのような発声ができるのか?
につきましては、
Anna Mariaさんが
「私はコンピュータの力を借りなくても
倍音をフィルタリングして増幅することができます」
という言葉を素直に受け止めるしかなく、
あまりにも凄すぎてもはやその理由については
考えるという行為を完全に放棄しております😅笑
今回はここまで…
以上レポート第1号でした^^
play music !2021.7.11 10:36overtone singingのレポート第2号となります
「2.undertone scale」について
倍音を一定にして、基音を動かしてみる
(基音を一定にして倍音を動かすよりも
こちらのほうが上級者向けとおっしゃっています)
「同一の倍音を共有する基音の集まりが
undertone scaleである」
と私は解釈致しました
G6という同一の倍音に対して、
G5(G6はG5の第2倍音)
↓
C5(G6はC5の第3倍音)
↓
G4(G6はG4の第4倍音)
↓
E4♭(G6はE4♭の第5倍音)
↓
C4(G6はC4の第6倍音)
↓
A3(G6はA3の第7倍音)
↓
G3(G6はG3の第8倍音)
ファインマンの「協和」の
ルールを思い出すと、
undertone scaleを構成する音は
同一の倍音を共有しているから
「どの音もお互いに協和して感じられるはずだ」
ということになります
undertone scaleの考え方は
個人的には「おっ?!」
「なんだか2つの話が繋がったぞ」
というスッキリした気持ちになりました
ここからは、
undertone scaleの音を聴いてみて
私の中でイメージされた印象
について述べさせて頂きます
①Anna Mariaさんの基音の発声が、
中国の二胡という楽器の音色
を思い起こさせました
②メロディラインにつきましては、
前半の
E4♭→C4→E4♭→G4→C5
短3度下→短3度上→長3度上→4度上
にマイナー調が感じられ、
後半の
C5→G4→E4♭→C4→G3→C4
4度下→長3度下→短3度下→4度下→4度上
にもマイナー調が感じられました
最初に聴いたときには基音の音色に
中国っぽさを強く感じていたのですが、
4度の動きもその印象を強調しているのかもと
考えてしまう今日この頃…です
「中国風の曲について」のスレッドで
個人的に中国風の分析したイメージが
棲みついてしまったのかもしれません(^^;
固定概念という大敵は
素直な気持ちで音楽を聴くという行為を
妨害するやっかいなものなので
忘れることにします…笑😅
今回はここまで…
以上レポート第2号でした^^
play music !2021.7.11 13:252.undertone scaleで一点補足となります
A3を飛ばしてC4→G3としているのは、
動画にあるように、
第7倍音が鍵盤の実音と31セント
ずれてしまっているからだと
私は考えております
従いましてA3だけは、
他のundertone scaleを構成している音と
協和しない可能性がある
ということになります
play music !2021.7.15 02:49overtone singingのレポート中ですが、
ここで少しひと休みです…
と言いますか、
寄り道をして行く必要に迫られました
「2.undertone scale」でAnna Mariaさんが、
”C4→A3→G3”の
A3を飛ばして
”C4→G3”とした時に
「なんでA3の音を飛ばしたのかな?」
と多少の違和感を感じはしましたが、
それ程気には止めていませんでした
ところが、
undertone scaleを構成する音は
同一の倍音を共有しているから
「どの音もお互いに協和して感じられるはずだ」
とファインマンの主張との
つながりに気がついた瞬間、
「おっ?!」
というワクワク感と共に
「A3の音がundertone scaleを構成する音であっては困る!」
という複雑な気持ちが
しばらくの時間を置いて襲ってくるのでした
A3もundertone scaleを構成する音としてしまうと
「A3とE4♭が3全音」
という一般的には不協和音程と分類される
関係になってしまうからです
そこで、
「A3の第7倍音とG6が、少し(31セント)ずれている」
という事実を盾に
「undertone scaleからA3の音を外して
ファインマンの主張とつじつまを合わせた」
という論理展開となりました
論理よりもどう感じるかが
大切だと思っているのに、
論理の美しさみたいな一面も
やっぱり追い求めてしまう…(^^;
「ミイラ取りがミイラ」とは
まさにこのようなことを言うのでしょうか?!爆
もちろんファインマンの「協和」のルールづけは、
ひとつの仮説に過ぎません
「同一の倍音を共有しているから」
というシンプルな理屈なので、
そうなのかも?と
今のところ、私はこの仮説を受け入れています
ところで
冒頭で「寄り道をして行く必要がある」
と感じたのは、
「協和とは?」については
あれこれ考えてはきましたが、
「不協和とは?」については
特に深く考えていなかった
という事実に気がついたからです
次回は「不協和とは?」につきまして
割り込みでレポートさせて頂きます^^
play music !2021.7.15 14:05忘れないうちに、
undertone scale
から導かれる「協和」
についてまとめてみましたG6という倍音を持っている
1オクターブ内の基音を
undertone scaleから
抜き出してみます低い音から
C4、E4♭、G4、C5
(G6はそれぞれの基音の
第3、第4、第5、第6倍音)
ですファインマンのルールを
適用すると、
この4つの音は同一倍音G6を
共有しているから
「どの2つの音も協和するはずだ」
ということになりますすなわち、
以下の音程は全て「協和」の
関係にあると定義されますC4、E4♭→短3度
C4、G4→完全5度
C4、C5→完全8度
E4♭、G4→長3度
E4♭、C5→長6度
G4、C5→完全4度ここまでは、
一般的な音楽理論と
同じ分類になっていて
論理破綻はしていないように
思われますそれでは、
私はおそるおそる
「不協和とは?」
について足を踏みこんで
みようと思いますはっきりした答えが
見えていませんので、
予想もできない論理破綻が
待ち受けていそうで
何だかめっちゃ不安です(^^;play music !2021.7.16 08:31すみません
誤記訂正となります倍音の序数が逆転しておりました
(誤)
低い音から
C4、E4♭、G4、C5
(G6はそれぞれの基音の
第3、第4、第5、第6倍音)
です
→
低い音から
C4、E4♭、G4、C5
(G6はそれぞれの基音の
第6、第5、第4、第3倍音)
ですplay music !2021.7.16 08:59undertone scale
の動画にはありませんでしたが、
G3の更に下の音も
確認してみました低い音から
E3♭、F3、G3
(G6はそれぞれの基音の
第10、第9、第8)
となりますファインマンのルールを
適用すると、
ここに現れる
F3、G3の長2度も
協和音程の定義に含まれる
と言いたいところなのですが…「1.overtone scale」での
Anna Mariaさんの通常の声の
周波数分布をみてみますと、
第2~第6倍音までしか
出ていないんですよね
第7~第10倍音は全く静かです楽器の特性にもよるとは
思うのですが、
長2度という音程は
「うっすらと協和している」感じに
なっているのではないかと思われますplay music !2021.7.17 06:40「A3の第7倍音と
G6が少しずれている」この「少しずれている」
というキーワードが
心にひっかかり、
「不協和とは?」について
もう少し踏みこんで考えてみよう
という思いに至りましたそれでは改めて
ファインマンの
「不協和とは?」
に立ち戻ってみますPerhaps we should make
the following rules.「おそらく…」
Notes sound consonant
when they have harmonics
with the same frequency.「同じ周波数の倍音を
共有している時に
協和していると感じられ」Notes sound dissonant
if their upper harmonics have frequencies
near to each other
but far enough apart
that there are rapid beats
between the two.「2つの音の倍音の周波数が
わずかに異なっていて、
急速な゙うなり゙が聴こえる場合に
不協和と感じる」Why beats do not sound pleasant, and
why unison of the upper harmonics
does sound pleasant,
is something that we do not know
how to define or describe.「なぜ゙うなり゙があると
心地よくないと感じ、
倍音の周波数が一致していると
心地よいと感じるかの
理由はわからないけどね」We cannot say from this knowledge of
what sounds good,
what ought, for example,
to smell good.
「いい匂いを
説明できないのと同じだよ…」誤解を避ける為にひと言
つけ加えさせて頂きます…^^後半で述べられているように
「いい感じ」という印象は、
極めて「あいまいなもの」です!匂いに限らず、美味しいとか、
美しいとかの様々な印象は
人によって真逆であったりする
ことが日常茶飯事ですよね^^これから不協和がどのような
振る舞いをしているのか?
ということについて考えてみよう
とは思いますが、
不協和の特長と
実際にその特長をどのように
感じるかということは
全く別物ということになります不協和の特長は、
①同一の倍音を共有していない
②急速な”うなり”が聴こえる
となりますが①は「協和とは?」の真逆の
考え方ですので
②の「急速な”うなり”」について考えてみたいと思います具体的な事象について
考えてみる為に、
GarageBandのGrand Piano
の前に座り、おもむろに
以下の音を弾いてみました★★
実際のピアノの響きと異なる
振る舞いをする可能性がありますのでご注意願います!
★★B-2とC-1♪
B-1とC0♪
B0とC1♪
B1とC2♪
B2とC3♪
B3とC4♪
B4とC5♪
B5とC6♪
B6とC7♪
B7とC8♪私には、
同じ短2度という音程でも
「急速な”うなり”」が
耳を刺激していると
はっきり感じられたのは、
B1とC2
B2とC3
B3とC4
の組み合わせでしたB1C2より下は
「ゆっくりした”うなり”」
B3C4より上は
「”うなり”が認識できない」
という印象を持ちました同一の音程でも、
音の高さによって
うなり方が異なり
不協和の色合いも様々
ということになります今回は問題提起まで…
以上「不協和とは?」についての
割り込みレポートでしたplay music !2021.7.17 09:10急速なうなりが
強調されている短2度の音域がB1とC2
B2とC3
B3とC4と私には感じられたのですが…
frequencies
near to each other
but far enough apart
that there are rapid beats
between the two.「2つの音の周波数が
わずかに異なっているけど、
それなりに離れていると
急速なうなりが聴こえる」これって
「具体的に(!)2つの音の周波数がどのくらい異なると
どのように聴こえるのか?」
を体感したくなりますよねまずは2つの音が
5ヘルツ異なるときのうなり
(2つの音の周波数の差が
変動周波数となり、
1秒間に5回うなります)
→
https://www.onosokki.co.jp/HP-WK/nakaniwa/keisoku/unari.htmこちらは
ひとつの周波数をAM変調
(振幅を周期的に変動したもの)
したもののようです
波の形が
うなりの波の形と似ているので
変動周波数が変わると
どのように聴こえ方が
変わってくるのかを
体感できます
→
https://www.onosokki.co.jp/HP-WK/nakaniwa/keisoku/sample.htmlここまでくると、
「うなり」ってなんで
英語で「beat」っていうんだろう?
「beat」って「16ビート」とかの
リズムの「ビート」でしょ?
と最初に抱いていた大きな疑問が
次第に失われていくのを感じます違う音が重なるとリズムが生まれ、
音の強弱が変化すると
リズムが生まれるうなりが不協和を強調する特長に
なっているというのであれば、
反対に完全な協和を求め過ぎると
リズムが失われるということですよね…次回はB3-C4の世界について
さらに詳しく足を踏み入れてみようと
思います以上「不協和とは?」についての
割り込みレポート第2弾でしたplay music !2021.7.17 13:43それでは
B3-C4の世界に踏み込みます踏み込むといいましても、
B3 とC4それぞれの
基音と倍音について
具体的な周波数をはじきだす
だけです^^前提条件
①A4の音を440ヘルツとします
②平均律音階で
各音の周波数を求めます周波数が2倍になると1オクターブ
の音程差
1オクターブ内にある12音について、
隣りあう音の周波数の比が
どこでも同じ音律が平均律
すなわち隣りあう音の周波数比は
どこでも2の12乗根これをいくら読んでも
イメージわかないですよね?和音の響きだって実際に音に
してみないと実感できませんということで、
実際に手で計算してみることにします
実際に体感しないと見えてこない
ことってあると思うんですよぉ!^^2の12乗根=1.05946309….
A4の440ヘルツをこの値で割ると
415ヘルツ→これがA4♭更に1.05946309…で割ると
392ヘルツ→これがG4どんどん割っていくと
370ヘルツ→G4♭
349ヘルツ→F4♭
330ヘルツ→E4
311ヘルツ→E4♭
294ヘルツ→D4
277ヘルツ→D4♭
262ヘルツ→C4
247ヘルツ→B3B3 とC4の周波数がわかりました
ここで、
隣りあう2音の周波数の差に
注目してみます
周波数の比は一定ですが、
周波数の差は低音→高音に向かって
どんどん広がっている
ことがわかります低い音から
C4-B3=15ヘルツ
15ヘルツ
17ヘルツ
17ヘルツ
19ヘルツ
19ヘルツ
21ヘルツ
22ヘルツ
A4-A4♭=25ヘルツ
高い音へ次回は倍音の周波数を
確認していこうと思います以上「不協和とは?」についての
割り込みレポート第3弾でしたplay music !2021.7.18 04:17次にB3、C4
の倍音の周波数ですが、
基音の周波数に倍音の序数を
かけるだけです
基音の周波数の2倍、3倍、4倍…B3 の基音=247ヘルツ
B3 の第2倍音=494ヘルツ
B3 の第3倍音=741ヘルツ
B3 の第4倍音=988ヘルツ
B3 の第5倍音=1235ヘルツ
B3 の第6倍音=1482ヘルツ
B3 の第7倍音=1729ヘルツ
B3 の第8倍音=1976ヘルツ
B3 の第9倍音=2223ヘルツ
B3 の第10倍音=2470ヘルツC4 の基音=262ヘルツ
C4 の第2倍音=524ヘルツ
C4 の第3倍音=786ヘルツ
C4 の第4倍音=1048ヘルツ
C4 の第5倍音=1310ヘルツ
C4 の第6倍音=1572ヘルツ
C4 の第7倍音=1834ヘルツ
C4 の第8倍音=2096ヘルツ
C4 の第9倍音=2358ヘルツ
C4 の第10倍音=2620ヘルツ隣りあう2つの倍音の周波数比は
2/1倍、3/2倍、4/3倍…と
どんどん小さくなっていきますが、
周波数の差は一定
(基音の周波数と同じ)ですB3 は隣りあう倍音の間隔が
247ヘルツの等間隔の「はしご」
のようなものであり、C4は隣りあう倍音の間隔が
262ヘルツの等間隔の「はしご」
のようなものというイメージでしょうか?
平均律の音階は、
隣りあう2つの音の
音程差が等間隔だから、
周波数の差は常に一定であると
錯覚しそうですが、
周波数の差は音が高くなるにつれて
どんどん広がっている逆に倍音は、
隣りあう2つの音の
音程差がどんどん狭くなっていくから
周波数の差も狭くなっていくと
錯覚しそうですが、
周波数の差は常に一定です言われてみれると
あまりにもあたりまえ
のような感じもするのですが、
実際に手を動かしてみないと
その事実に気づけていない
ときがあります(^^;次回はB3とC4の倍音から
どのような「うなり」
が生まれてくるのかを
確認してみようと思いますplay music !2021.7.18 05:45最後に
B3とC4の基音と倍音の
周波数の差を確認していきます基音の差=15ヘルツ
(262-247)
第2倍音の差=30ヘルツ
(524-494)
第3倍音の差=45ヘルツ
(786-741)
第4倍音の差=60ヘルツ
(1048-988)
第5倍音の差=75ヘルツ
(1310-1235)
第6倍音の差=90ヘルツ
(1572-1482)
第7倍音の差=105ヘルツ
(1834-1729)
第8倍音の差=120ヘルツ
(2096-1976)
第9倍音の差=135ヘルツ
(2358-2223)
第10倍音の差=150ヘルツ
(2620-2470)B3とC4がそれぞれ
等間隔の「はしご」と
考えると、
等間隔の差(15ヘルツ)で
それぞれの「はしご」の階段が
どんどんずれていきます15、30、45、60、75、90、
105、120、135、150…そして、
これらがB3とC4を同時に鳴らしたとき
に聴こえている「はず」の
beat(うなり)の変動周波数と
いうことになります1秒間に
15回、30回、45回…
とそれぞれの倍音がうなっている
「はず」です
※倍音が実際に鳴っていない場合は
もちろんうなりません!ファインマンの主張するところの
「急速なうなり」というのは、
人によって(または年齢によって)
感じ方が異なるとは思いますC3とB4を同時に弾いた場合、
私の聴覚では1秒間に30回の
うなり(第2倍音のうなり)が
強く聴こえているような
感じとなっています※うなりの感じ方につきましては、
またまたこちらを参考に
させて頂きました
→
https://www.onosokki.co.jp/HP-WK/nakaniwa/keisoku/sample.htmlGaragebandの音源が
第2倍音を強調しているという
可能性はあります(^^;笑これまではB3とC4の
不協和の世界を見てきました次回は、高い音域では
急速なうなりが聴こえない
(かすかにしか聴こえない)
理由について確認しようと
思いますおそらく、この割り込みレポート
の最終回となるはずです^^play music !2021.7.18 07:55高い音域で急速なうなりが
聴こえにくくなる理由について
ですが、音が高くなるにつれて
隣りあう2音の周波数の差が
どんどん広がっていくという
事実がありますB4は494ヘルツ
C5は523ヘルツ
→基音の差は29ヘルツB5は988ヘルツ
C6は1047ヘルツ
→基音の差は59ヘルツこれに伴い、
倍音の「はしご」の階段の
ずれかたも大きくなり
B5とC6では第2倍音の差が
59×2ヘルツとなり
1秒間に約120回うなる
ことになります更に上のB6とC7では
うなりのスピードが早すぎて
もはや
「うなりとして認識できなくなる」
ということが想像できますこれまで
不協和の特長である
「うなり」について
レポートさせて頂きましたが、「undertone scale」を通して
協和と不協和について
普通のやり方とは異なる
感覚を身につけることができました今の私にとって
①完全協和音程とは
同一倍音を2つ共有している音程
②不完全協和音程とは
同一倍音を1つ共有している音程
③不協和音程とは
同一倍音を共有せず
場合よっては「うなり」を伴う音程という感じの分類となっています
あらためて、
これは特長を定義しただけであって
この特長をどう感じるかは
聴く人の感性によって異なります協和を美しいと感じる人も
いれば、律動感が失われて
つまらないと感じる人も
いるでしょう不協和をなんじゃこれ?と
感じる人もいれば、
驚きや律動感が生まれ
動的な予感を感じる
人もいると思います以上で緊急割り込みレポート
終了となりますこれでようやく
overtone singingに戻れます笑 -
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