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2018/8/8に「オープンβ版」として公開を始めた当サイトですが、本日ようやく「正式版」としてリリースいたします。

ベータから正式版へ

これまでの期間について

期間が長すぎてもう忘れられているかもしれませんが、あくまでこれまでの本サイトは「β版」であり、登録ユーザーの皆様は「βテスター」の位置付けでした。記事の公開範囲を制限していたのも、最大の理由はサイトのサービスと理論の体系が共に未完成であり、大きな変更が加わる可能性が十分にあったからです。

サービスに関しても新しい理論の提唱に関しても、どのようにユーザーに受け入れられどれくらい活用されるかは未知数でした。実際この3年半の間に、提唱した用語の中でより良い既存の用語を発見してそれで置き換えたり、定義を微妙に変更したり、あるいはサービスのうち一部の稼働を停止したりなど色々あって今に至ります。

理論コンテンツに関しても、リリース当初はまだ「コードスケール理論」や「ナポリの六・増六の和音」「ポップスの転調技法」などの記事群は存在していなくて、これらはリリース後の反応を受けて追加されていったものです。また順序構成についてもずっと再考を繰り返してきており、記事が違う章に移動したりといった大きな変更も何度かありました。そんなふうに「未完成のコンテンツである」ということに対してある種の了承・了解をもらう意味合いでメンバー登録というハードルを設けていた側面が強いです。

昨年初めの段階でそういった大きな修正や加筆はひととおり済んできて、挙がる不具合も誤字脱字やリンク切れといった細かいものが多数を占めるようになってきました。ブックマークの機能も簡素ながら実装できましたし、まあいい加減そろそろ潮時でしょうということで、「サウンドクエスト」のちょっぴり語呂合わせで3月9日に正式リリースをすることにしました。

今後の記事の公開範囲

これからしばらくの間は、「正式版リリース記念」ということで、一時的に全記事をログインなしで公開します。一昨年の緊急事態宣言の時に全面公開して以来久々です。公開期間についてですが、世間の学生さんの冬休みが終わるくらいまでは続けようかと思っています。

その期間後も、ほとんどの記事は公開されたままにします。このサイトは「傾性」「シェル」「接続系」「パラレルメジャーコード」といった独自用語を普及させる責務を担っているので、それに関連した記事をクローズドにして自ら普及を妨げるようなことは選択肢としてありません。これまで制限をかけていたのは、本当にあくまでもβ版だったからという理由です。

その一方で、コード編VI~VII章の全記事と、VIII章の一部記事については要ログインにすることを検討しています。

VI章・VII章の記事に関しては、これを世に広く伝えていきたいというよりは、独自理論に長々付き合ってくれた方へのお返しに他流派へのスムーズな移行をサポートしたいという意図が多分にあります。そういった意味から、閲覧にログインを要するのが妥当なラインだろうという判断です。またこれには、「モードツリー」のような希少性の高い図画がフリー素材的なノリで転載される可能性に対して多少の予防線を張る意味もあります。

VIII章に関しては、Blackadder Chordのような閲覧の多い記事を要ログインにするかは悩みどころで、記事によって公開/非公開を分ける形になっていくかと思います。

ただし、公開記事が増えるということはメンバー登録をする動機が大きく減じられることでもあるので、それによってコミュニティ(チャンネル)の活性が悲劇的に悪化するようなことがあれば、再度公開範囲を狭めることはありえます。こうしたオープン/クローズドの適切なバランスについては、今後も様子を見ながら調整をしていきます。

チャンネルについて

チャンネル(掲示板)に関して、投稿にログインが必要な点は今後も変わりません。チャンネルの投稿がログイン制なのはベータ期間がどうという話とは関係なく、コミュニティにある程度の閉鎖性を設け、ユーザーが安心して交流ができるようにすることが目的だからです。

利用規約の改訂

正式リリースに伴い、改めて利用規約の見直しを行いました。とはいっても、利用や著作権周りに関してユーザーが不利になるような変更はなく、むしろ必要以上にかけられていた制約を緩めるような変更になっています。

例えば「禁止事項」に関して「営業,宣伝,広告,勧誘,その他営利を目的とする行為」を禁止する旨がありましたが、そこに「ただし音楽に関する交流という本サービスの目的に対し適格なものであれば,これを認めます」という文言を加えました。

つまり、宣伝や広告といっても禁止したいのはいわゆるスパム行為であって、これが「独自の音楽理論を考案した記事を書いたので見てください」「Max for Liveデバイスを自作してみたので使ってみてください」というような内容であれば、それは至って適切な行為で、禁止されるべきではありません。例えそれが有償製品の宣伝であっても、依然としてコミュニティにとって有益だと考えます。ですので従来の紋切り型だった規約に対しそうした修正を加えた形です。

また、利用規約が登録ユーザーに向けた文面になっていたので、登録をしないで閲覧する訪問者に向けた「利用規約(ゲスト)」のページも別途作成いたしました。その内容に関しては、ユーザーIDや登録などに関する条項が削られている以外に大きな違いはありません。

ベータ最後の変更点

また理論体系に大きな変更を加えるなら今が最後のチャンスだということで、接続系理論に抜本的な変更を加えました。A-Fのアルファベットで系統を分類する方式を廃止しています。現在は名称のない、数字による区分になっています。

アルファベットによる分類は非常に記号が端的で済む大きな利便性がある一方、学習にはコストがかかります。この点に関しては、βリリース当時からずっとどの形が理想か悩み続けていた部分であって、この3年半でのフィードバックを踏まえたうえでの最終的な判断で、このようになりました。これについては、草案段階からβ段階、そして今に至るまでの思索思案の中身を記事にしたいなと思っています。

頑張って暗記をしてくれた方には申し訳ないのですけども、ただアルファベットとともに暗記した内容自体が無駄になるわけではない(5度下行が“Basic”な接続であること、トライトーン接続はルートを“Flip”する行為であること等)ので、「ABCDEFと共にコード進行と戯れた日々がかつてあった。それはβユーザーたちの間にだけある記憶…」という思い出としてご容赦頂ければと思います。

これからのゆくえ

「正式版」になったとはいえ、リンク切れのようなエラーは今後十分起こりうるし、まだ誤字や五線譜の横棒忘れなんかがどこかにあってもおかしくありませんので、何かあったらば引き続き不具合報告スレッドにご投稿いただけると非常に助かります。

また、まだ書くつもりで書けていない記事も色々とあります。ハーモナイズ論もポリセミー論もまだまだ先があります。

いっぺんG7(omitR,Δ7,9,-10,-13)のことを話すまでは死ねない

なのでこれからも新規記事は少しずつ増えていく予定です。正直なところ、音楽の世界が変わり続ける限りはこのサイトの内容も変わり続けると思います。そういう意味では、SoundQuestはずっとβです。

サイトの持続可能性

このサイトは現在無料ですし、今後も有料化の予定はありません。それでも、Twitterでフォローして頂いたりサイトをSNSでシェアして頂くことで存在が知られた結果として外部からお仕事の話が来たりだとか、PLUGMON.jpの方で製品をリリースした際の告知を拡散して頂けることで売れ行きが良くなったりだとか、そういった間接的な形でこのサイトの存在は私が生きていくうえでプラスに働いています。ですのでそういった皆様の応援がある限りは、このままの形でサイトを永らえていくことができます。


4年前にサイトを立ち上げた時は、果たして新奇な理論が受け入れられるだろうか、よくわからないサイトの掲示板に書き込みをしてくれる人はいるだろうかという不安が渦巻くなか始まりました。でもサイトの理念に共感してくださる方がいたり、ブログで紹介してくださる方がいたり、接続系を分析するツールを作ってくださる方、シェルを分析するツールを作ってくださる方も現れて、そういった数々の応援に支えられてここまで続けてこられました。心から感謝申し上げます。

これからもまたSoundQuestをどうぞよろしくお願いいたします。