モーダル・インターチェンジについて
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上3声下行2019.7.23 14:01
いつも勉強させていただいていただいております(素晴らしいサイトに感謝)
そのなかでいくつか質問したいことがあるのでどうかご教示いただければ幸いです。一つ目の質問なのですが
モーダルインターチェンジの定義について質問があります。
モーダルインターチェンジの項では「スケールを入れ替える」とありますが
それは構成音が同じの異なるクオリティのモードを使用することもモーダルインターチェンジとして含まれますか?
たとえばkey=CでコードFが出てきた際にFリディアンを選択したとしてFリディアンはCメジャーペアレントスケールが内包しているダイアトニックモードすべてと構成音が同じなので内包されてるモード全てがコードFに対しての使用可能なモードとして選択できると思いました。
上記はFに対しダイアトニックモードを選択しましたが、ノンダイアトニックなモードを選択した場合でも同じようにペアレントスケールが内包しているモード全てがモーダルインターチェンジとして選択できるのでしょうか?これらの解釈でモードを変更可能なのか、またこれらのアプローチはモーダルインターチェンジの定義の範疇に含まれるのかそうでないのかが気になりました。
・調の主音を軸としたモード
・コードのルートを軸としたモード
・仕様な可能なスケールならどこを軸にしても構わないスタンスで決めたモード↑などなどモーダルインターチェンジの定義範囲について詳しく教えていただけたらと思います。
(モード交換の定義の範囲はモーダルインターチェンジより広いのかなぁと個人的には思ってます)二つめ
モーダルインターチェンジと調性の意識について質問があります。
「キー非依存のモード交換」の項のモーダルインターチェンジについて「(モーダル・インターチェンジでは)交換するのもキー全体を統括する、いわゆる「親」のスケールの交換でした。」とありました。
これは調性そのものに意識を置いていたということでしょうか?
調の主音を軸にするだけなのか、使用したモードを内包している調性そのものを意識するのか(ノンダイアトニックなモードを選んだならそのモードを内包している調を意識する)
この両者の違いは調性を意識するのかしないのかの違いになるのかなぁと思いました。
前者はモード的、後者だと調性音楽的でノンダイアトニックなモードを使う際は一時的に転調してるということになりコードは借用和音的解釈になのかなぁと思っているのですが…。
(前者の軸となる音を調の主音に統一することももしかしてモーダルインターチェンジの定義に関わる事柄なのかとも思ってます)調の主音のみ軸にするのも、調性そのものを意識するのもどちらにせよ「調性というものに対して多少なりとも意識」しているからなのかな?とここでうっすら感じたからです。最初の質問でモードに焦点を置く傾向のあるジャズにおいて、一応key=Cやダイアトニック、ノンダイアトニックという調性について記述した理由もそのためです。
というのも個人的にジャズの世界やモードの技法って調性を意識してはいけない感が自分の中にあったので(調なんて関係なくコードに対して使用可能なモードバンバン使えばいいというような、その結果調性感出ない方がむしろかっこいいというようなスタンス)主音だけを軸にする、というのもモーダルインターチェンジは今いる調性のスケールの変化ですよぉぉぉといった調からなるべく離れない(あくまで調のスケールが変化したですという主張する)ような意識でもあるように感じるのです(今いる調性というものにうっすら配慮してますよね)
ようするに
モーダルインターチェンジの「親」のスケールの交換、がモード的なのか調性音楽的なのかどちらの解釈なのか、そしてどの程度調性というものに寄り添っているのか(そもそも調を意識していいのか)、改めて伺いたいと思いました。長くなりましたが自分の理解が及ばなかったせいで何かデタラメなことを言っていたりしてたら申し訳ありません。
よろしくお願いいたします。
yuta2019.8.3 03:05まず簡潔に要点をまとめると以下の4点です。
☑️モーダル・インターチェンジは、(CST内の用語を用いて説明するなら)「ペアレント・スケールを別のものに交換すること」を指す。
☑️自由派の参考文献の範疇では、コードのルートを軸としてモードを変更する行為が「モーダル・インターチェンジ」と呼ばれてはいない(特に名称が与えられていない)。
☑️それゆえに「キー非依存のモード交換」の記事では、わざわざ「モード交換」という別の言葉を(独自に)用意した。
☑️モーダル・インターチェンジはCSTほど高度でない一般的な音楽理論でも紹介されることが多くあり、「ペアレント・スケール」という言葉がそもそも出てこないそのようなコンテンツでは、モーダル・インターチェンジ=同主調への一時転調だと説明されていたりする。(=意味に乱れが生じやすい語である)「コードルートを軸にした変換がモーダル・インターチェンジの定義に含まれるかどうか」といった厳密な定義がどうなっているかというと、参考文献の各書では“明言されていない”です。そして自由派は基本的に「細かい言葉の定義にこだわっても仕方ない、むしろそれが無駄な争いを生む」という方針なので、こういう「いかにも論争のタネになりそうな事柄」に対しこちらからあえて首を突っ込むことはしません。
調性に対する寄り方について言うと、モーダル・インターチェンジは“極めて調性音楽的”な考え方の技法です(本編でも「キーに依存した方法論」という説明があります)。そうでなかったら、一般音楽理論では紹介できないですよね。
ジャズ理論のすべてが調性を捨てているわけではなくて、それこそii-V-Iがらみの技法は皆そこに一時的な調性を発生させているわけですし、「転調が頻繁」「マルチトニックシステム」といった世界と「不定調性」の世界は似ているようでまた別物ですね。ジャズ理論の中でも調性に寄り添って物事を考える場面はたくさんあります。最後に、「これらの解釈でモードを変更可能なのか」という質問について、やはり自由派の理念に基づいて言わずにいられないのは、「考えるべきは可能かどうかではなくそれが音楽的に良いか否か」ということです。
Avoidが音楽的に活きる場面もあれば、Available Tensionが曲想に何ら貢献しない場合もある。可か否かで考えても意味がない・・・といった類の話は「序論」の頃から何度も登場しているはずなので、「可能か」という疑問が湧いてくること自体にちょっと疑問でした👿上3声下行2019.8.4 15:22>>yutaさん
返信ありがとうございます。
モーダルという名称から調性感は低いものだと思っていたのと定義に関してもモーダル的に考えて頭の中で広げて捉えていたみたいです。
モーダルインターチェンジの調性感と頭でごっちゃになっていた定義の整理がつきました、ありがとうございます。それと可能なのか、ということに関してですが記述のしかたは相応しくなかったかもしれません。
音楽上での表現において正しいとか正しくないといった禁則のような制限を本理論は排除するようされているのは理解しているつもりです。
疑問の主張自体が本理論から思い浮かんだため、このような考え方が成立しているのかといったニュアンスも含んでしまったため「可能なのか」といった記述になりました。
なので音楽的な表現の可否として、理論的についての可否としても迷ったり提言したつもりはなく、ただ純粋に疑問に思ったアプローチが本理論において位置付けはどうなのか、既に記述された項の枠組みの範疇なのか、どう捉えられるのか、という意味合いで伺ったつもりです。(正しいとか正しくないとかではなく)なので「可能なのか」は「どう解釈されるのか」という表現に訂正いたします。
yuta2019.8.12 17:33ちょっと言葉に過敏に反応してしまったようで、すみませんでした😓
お返事を踏まえて補足すると、モーダル・トニックを軸としたモードの変更は、「モーダル・インターチェンジ」の範疇には含まれていないものの、一般的なジャズ理論書でも紹介されているスタンダードな技法です。
ただしそれは、「V7のコード上ではミクソリディアンだけでなくリディアン・ドミナントやホールトーンも選択肢と考えられる…」といった風に、「コードはもう決まっているのが大前提」で説明されます。それはやはり、「完全自由の作曲」ではなく「コードが決まっているうえでの即興演奏」を想定しているからだと思います。ですから「キー非依存のモード交換」の記事で実践している「モード・ツリーで近くにいるモードと(コードクオリティ問わず)交換して、作曲をしていく」といった考え方は書籍に載っているものではなく、当理論独自のものです。
上3声下行2019.9.6 20:54返信遅れて申し訳ありません…!!!
自分のあのような長文で誤解させるような文だったのがいけないんです、お忙しい中目を通していただいただけでもありがたいです。コードネームからスケールを瞬時に想起するというのがジャズのスタイル上重視されるみたいですね。
コードトーンは固定させるとしてそれ以外のノートの臨時記号の付け方次第で調性との距離感を調節したり色々遊べそうですね。
これを機にもっとジャズの理論書をもっと勉強したいと思います。また懲りずに質問をしてしまうかもしれませんがご迷惑でなければその時もよろしくお願いいたします。
ありがとうございました!! -
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