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2021年ももう終わってしまう・・・・・・!!ということで、“大掃除”としていくつか大きめの変更をサイトに施しました。その告知と、今年の振り返り、来年の展望を簡単にこの記事で述べたいと思います。
カラーユニバーサル
ひとつめ。サイト内の配色に関して、色覚の多様性に対してより広く対応するオプションが加わりました。
このサイトでは、音楽理論における「安定」を象徴するカラーとして緑を、「不安定」を象徴するカラーとして赤を用いています。しかし、この緑と赤の区別がしづらいという方もいらっしゃいます。
そこで、サイトのカラーリングを任意で変更できるオプションを設けました。オンにすると、緑/赤の代わりに明度の異なるブルー系の色を中心にしたデザインに切り替わります。
「不安定」の色にはナナメのしましまを入れる形にして識別性を高めました。色覚にもいろいろと個人差があるようなのですが、いくつかのシミュレーション環境でテストをして、これなら幅広く対応できるのではないかというところに調整したつもりです。
もしかしたら、黄色をドミナントのカラーに使った方が良いのでは・・?といった疑念もありますが、ともあれ改善されたことは確実です。
通常版は、人によっては地獄のような配色でした。技術力の問題でこんなに遅くなりましたが、このオプションは何年もずっと実装したいと思っていた機能です。理論体系が「多様性」を理念に掲げている以上、サイトデザインに関してもできる限りその理念に恥じないものでありたいと思っています。自分と異なる価値観を持つ人間がいて、そのために異なる選択肢が用意されていて、異なる選択をすることを尊重するというメッセージを、根底から発信していきたいです。
変更方法
変更は、「プロフィール・設定を編集」の画面から行えます。サイドバーにリンクがあります。
プロフィール画面の最下部に「アクセシビリティ」の項目があって、そこで設定変更ができます。
ちなみに、この環境設定には表示フォントのオプションもあります。これは今年ひそかに搭載された機能です。
ディグリーの♯♭の位置変更
もうひとつ大きな変更があって、VI♭やIV♯といったディグリーの変位記号を、全章一律で左側に書く方式に変更しました。
これは何かというと、SoundQuestの英語版の制作に本格的にとりかかったことによる影響です。
英語圏ではディグリーの♯♭を右に書くという感覚はないわけなので、英語版は左書き一択です。そうなるとじゃあ英語版と日本語版で別々の画像を用意するかといったら、そこまでの管理コストを割くほどのメリットが右書きにあるわけでもありません。結論として全面左書きに統一することにしました。
つまるところ、国際的な標準にならうという形になります。ただし、今でも私は右書きの方式が“誤り”だとは全く思っていません。ローカリズムの一種です。そして国際化の進む現代において、グローバリズムとローカリズムにどう折り合いをつけていくかは非常に混み入った問題です。このことはまた、別個の記事にして書きたいなと思っています。
今年のこと
今年はSoundQuestとしてはかなり発展の多い年でした。 まず3月にはぴゅら子さんがコラボ動画シリーズを発動してくださいました。
9月にはSoundmainさんでUI/UXデザインの方面で連載を始めさせていただきました。
そして12月には、SoundQuestのカーネル/シェル論を利用した初の音楽評論本、伏見瞬さんの『スピッツ論』が刊行されました。
- スピッツ論 「分裂」するポップ・ミュージック
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自由派音楽理論が「紙」のメディアに入り込んだことは大きな第一歩です。こちらについてもまた別個の記事でちゃんと紹介したいと思っています。
こうした対外的な活動が生まれたのは、サイトを見守ってくださる方々、支持してくださる方々の存在あってこそです。自由派音楽理論には、学問機関によるバックアップもなければ、“業界”の偉い人が顔になってくれるでもありません。ひとえに応援のパワーだけでここまで来られました。本当にありがとうございます。PLUGMONの活動
またGUIとサウンドウェアを提供している姉妹サイトPLUGMONの方でも、u-he HIVE 2.1のスキンを公式に担当させてもらったり、KVRのデベロッパーリストにも登録させてもらえたりしました。
ゆっくりですが前進してます。来年のこと
今年はこのように外交活動が充実していましたので、逆にサイトを正式リリースするタイミングを見失っていました。ただもういよいよ楽譜ミスや誤字脱字も少なくなってきて、もう来年にはベータから前に進むほかないだろうという感じです。サウンドクエストは稀に「サンクエ」と略されるので、語呂合わせで3月9日に“安定板”としてリリースしたいと考えています。むろんリリース後も、記事が有料になるわけではありません。逆にログインなしで閲覧できる記事が増える予定です。
来年もどうぞよろしくお願いします。