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接続系理論 ❹ B型の諸用法

By 2021.09.25接続系理論

前回は「穏やかな2度上下」のC型を解説しましたが、今回は正反対、力強い4度の移動であるB型を見ていきます。

B型

1 B型の特徴

B型は以前述べたとおり、TSDTの自然な流れを順行することになるので、とても聴きやすい。一般的な音楽理論では、この4度上行を最も結びつきの強い進行であるとして、強進行という名前をつけています。1

ここからは、B型を活用したコード進行をいくつか紹介しますね。

6-2-5-1

前回登場した6-2-5-1の進行は、強進行が3回続く、とても明快なコード進行ですね。推進力があり、マイナーコードが2つあるわりにはさほど暗くなく、パワーを感じるのが特徴。

NujabesやWeezerはメインのループフレーズにこの進行を、Maroon5やジャスティン・ビーバーの曲ではサビで用いています。いずれも暗いと言えば暗いですが、その中に「強さ」や「推進力」があります。マイナーキーなんだけどもジトジトした感じにはしたくないとか、暗めだけども希望も感じるような情感にしたいとか、そういった時にこういう進行が候補となってきます。

2-5-3-6

TDSの回では、4-5-3-6を「J-Popの王道進行」として紹介しました。その亜種であるのが、この2-5-3-6。

2536

B型の接続の間に、つなぎとしてD型が挟まっている形。やっぱり推進力があってエネルギッシュですから、そのような曲で使うと活きます。

こちらはサビが2-5-3-6。クッキリしたB型のコード進行の魅力がよく生きています。ちなみにサビ以降の間奏とAメロは4-5-3-6。ですから、サビと他のパートでエネルギーの強さを調整しているのです。

Two-Five-One

またジャズでは2-5の進行、または2-5-1の進行が非常によく使われ、それぞれトゥー・ファイヴTwo-Fiveトゥー・ファイヴ・ワンTwo-Five-Oneと名付けられています。名付けというか、ただ数字を英語で読んだだけですけども。

機能論でいうとSDTという風に「緊張を高めて一気に緩和」という形をとるため、聴いていて非常にスッキリと快活な心地よさがあります。

「Sunday Morning」「Say So」「Come and Get Your Love」は一曲通してずっと2-5-1が使われていて、B型の魅力が分かりやすい曲。明朗・快活ですよね。「Pride」はちょっと変わっていて、IImの代わりにクオリティチェンジしたIIを用いています。

「Tune Up」はジャズ曲。2-5-1はジャズの基本ですが、そのまま繰り返すのはつまらないということで、2-5-1のカタマリを1回弾き終わるごとに違うキーに転調します。過激な「転調」と「テンション」で和音を彩ることで音楽をカラフルにするという手法は、ジャズの基本哲学です。

バリエーションの作り方

コード進行は4つのコードでひとつのカタマリを形成することが多いわけですが、2-5-1は3つしかコードがないので、4つ目に何を置くかでバリエーションが作りやすいのも特徴です。いくつか分析してみると…

4つ目のコード
Sunday Morning I
Say So VImVIを交互に
Pride VIm
0X1=LOVESONG IV

ほかにはIIImIIIを持ってくるパターンも考えられますね。あるいはIImIを、それぞれの仲良しペアであるIVVImに替えればまた長短と接続が変わって新しい曲想が得られますね。

251のバリエーション

2 B型と他系統の混合

B型は、どこにどう使っても安心できる、本当にベーシックな接続です。良くも悪くもクッキリして明快なので、他の接続系統と交えることで表現の幅を補っていくとよりコード進行としてのカラーバリエーションのようなものが増します。

6-4-5-1の王道進行

例えば先ほどの「6-2-5-1」のIImIVに変えて、「6-4-5-1」にするのは定番です。この2人は“親密度”の高い仲良しコードですから、たいていの状況で交換が成立するのでした。

結果として、B¹・C¹・D¹を1つずつ使う、バランスのとれたコード進行になりました。接続系統がバラけると、統一感が薄れる代わりに感情豊かな曲想が芽生えます。これはJ-Popの王道進行のひとつです。

こんな感じで、バラードのサビで重宝されます。最後のIはアレンジのしがいがあって、VImにすればグッと暗くなるし、IIImだと切ない感じになるし、クオリティ・チェンジしてIIIにするとかなり揺さぶりをかけにいく感じになります。サビの1周目はノーマルな6-4-5-1で、2周目でそういった変化をつけにいくなんていうやり方も、定番です。

4-5-3-6の王道進行

あるいは「2-5-3-6」の2を4に変えれば、例の「4-5-3-6」になりますね。

やっぱりB¹・C¹・D¹を1ずつ使うバランス型です。こうやって接続系統を元にコード進行を見ていくと、コード進行と曲想の関係性が少しずつ見えてきますね。日本では、このようなクッキリしすぎないコードの方が好まれる傾向にあるようで、こうした進行の方がよく耳にします。

クッキリ 穏やか
6-2-5-1 6-4-5-1
2-5-3-6 4-5-3-6

B型は本当に普通の進行なので、これ以上特に述べることはありません。先へ進んでしまいましょう。

まとめ
  • Basic Nexusは、4度上行という大きな移動でTSD機能を「順行」するので、自然なうえ高い推進力があります。
  • 4度上行は、一般的な音楽理論では「強進行」と呼ばれています。
  • B型のみの進行だとあまりにもパワフルすぎるという場合には、コードを取り替えてバランスを調整するとよいです。
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