接続系理論 ❹ B型の諸用法

音楽理論 接続系理論

前回は「穏やかな2度上下」のC型を解説しましたが、今回は正反対、力強い4度の移動であるB型を見ていきます。

B型

B型の特徴

B型は以前述べたとおり、TSDTの自然な流れを順行することになるので、とても聴きやすい。一般的な音楽理論では、この4度上行を最も結びつきの強い進行であるとして、強進行という名前をつけています。

ここからは、B型を活用したコード進行をいくつか紹介しますね。

6-2-5-1

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前回登場した6-2-5-1の進行は、強進行が3回続く、とても明快なコード進行ですね。推進力があり、マイナーコードが2つあるわりにはさほど暗くなく、パワーを感じるのが特徴。

こちらの曲では、サビで6-2-5-1が用いられています。やはりB型のクッキリさ、パワフルさがあるため、そこまで切ないという感じはしません。

こちらはメロなどのメインリフが6-2-5-1です。これもやっぱり、暗い感じはそんなにしない。ズンズン進む推進力を感じますね。

こちらは日本のヒップホップトラックメイカーNujabesの代表作。サウンドがメロウでテンポもスロウなこちらは幾分暗さがありますね。でもやっぱりその中に芯の強さのようなものを感じるのは、コードがずっと「強進行」中心で作られているからです。前へ進んでいこうというポジティブさを表現するのに、B型はぴったりです。

この曲は、メロのあいだずっと6-2-5-1。この曲は失恋がテーマなためか、これまでの曲よりも暗さがきちんと出ています。それでもどこか淡々としていて悲しすぎないのは、B型のスムーズな進行感が曲を常に推進させているからでしょう。

2-5-3-6

TDSの回では、4-5-3-6を「J-Popの王道進行」として紹介しました。その亜種であるのが、この2-5-3-6。

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B型の接続の間に、つなぎとしてD型が挟まっている形。やっぱり推進力があってエネルギッシュですから、そのような曲で使うと活きます。

こちらはサビが2-5-3-6。クッキリしたB型のコード進行の魅力がよく生きています。ちなみにサビ以降の間奏とAメロは4-5-3-6。ですから、サビと他のパートでエネルギーの強さを調整しているのです。

Two-Five-One

またジャズでは2-5の進行、または2-5-1の進行が非常によく使われ、それぞれトゥー・ファイヴTwo-Fiveトゥー・ファイヴ・ワンTwo-Five-Oneと名付けられています。名付けというか、ただ数字を英語で読んだだけですけども。

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(なんだか妙にオシャレに聴こえると思いますが、それはちょっとⅢ章でやるようなオシャレ技法を使用して音を装飾したためです。)
2-5-1を使った大ヒットソングと言えば、またもマルーン5の「Sunday Morning」など。

メロもサビも、ずっと2-5-1です。ジャズな雰囲気を演出しているだけでなく、クッキリとしたB型の接続は、日曜の朝というイメージにもピッタリですね。

B型と他系統の混合

B型は、どこにどう使っても安心できる、本当にベーシックな接続です。良くも悪くもクッキリして明快なので、他の接続系統と交えることで表現の幅を補っていくのが基本になります。
例えば先ほどの「6-2-5-1」の2を4に変えて、「6-4-5-1」にする。

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結果として、B¹・C¹・D¹を1つずつ使う、バランスのとれたコード進行になりました。接続系統がバラけると、統一感が薄れる代わりに感情豊かな曲想が芽生えます。これはJ-Popの王道進行のひとつです。
あるいは「2-5-3-6」の2を4に変えれば、例の「4-5-3-6」になりますね。

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やっぱりB¹・C¹・D¹を1ずつ使うバランス型です。こうやって接続系統を元にコード進行を見ていくと、コード進行と曲想の関係性が少しずつ見えてきますね。日本では、このようなクッキリしすぎないコードの方が好まれる傾向にあるようで、こうした進行の方がよく耳にします。

クッキリ 穏やか
6-2-5-1 6-4-5-1
2-5-3-6 4-5-3-6

B型は本当に普通の進行なので、これ以上特に述べることはありません。先へ進んでしまいましょう。

総括
  • Basic Nexusは、四度上行という大きな移動でTSD循環を「順行」するので、非常に自然なうえ、
    高い推進力があります。
  • 4度上行は、一般的な音楽理論では「強進行」と呼ばれています。
  • B型のみの進行だとあまりにもパワフルすぎるという場合には、代理コードを使ってバランスを調整するとよいです。

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