Skip to main content

3. 2度と6度

さて、3・7度に加えて4・5度についても結果的に解説できたので、残るは2度と6度です。これらはいずれも「長/短」によって区別される度数で、3・7度と全く同じように、距離が長ければ「長」、短ければ「短」というシンプルな話になります。

長2度と短2度

長2度と短2度の区別は簡単で、「全音差」なら長、「半音差」なら短ということになります。

長2
短2

日常的によく出会うのはどちらかというと「長2度」の方ですね。

長6度と短6度

長6度と短6度の区別は、距離が遠いぶんちょっとだけ大変です。測るときには、まずメジャーコード・マイナーコードで既にお馴染みの「完全5度」を測って、それプラス「全音」なら長、「半音」なら短というふうに見分けられます。

長6度
短6度

この2度・6度の区別に関しては、III章でこれらの音程を使用するコードを学んで以降ちょっとずつ暗記していけばよいでしょう。

4. 総括と補足

改めて、C(ド)の音を基準にして1~8度の音程を一覧にしてみます。

インターバル一覧

本当に、こうやって楽譜を見てスッと度数が出てくるようになるのはもっとずっと後で構いません。今日はひとまず紹介の回という感じです。

完全一度とユニゾン

ちなみに「ドとド」のように同じ音どうし、ゼロ距離のことを「完全一度」といいますが、英語ではこのような言い方は基本的にせず、ユニゾンUnisonないしプライムPrimeといいます。

度数に対するシンボル

度数は日本語だとシンプルですが、英語では“augmented/diminished”といった具合で、なかなかに長い単語があてられています。そこで、コードネームを短いシンボルに託すのと同じように、度数にも短いシンボルが用意されています

日本語 英語 シンボル
major M ないしΔ
minor m ないし –
完全 perfect P
diminished o
augmented +

ちょっとコードネームと通じるところがありますね。もっとも、そもそもコードネームを決める基準となる存在が度数関係ですから、シンボルに類似性があるのも当然のことです。この表記で改めて一覧にすると、次のようになります。

シンボルで一覧

スッキリして悪くない見た目ですね。このサイトでも後々は、このようなシンプルな表記をときどき採用することになります。

オクターブ以上の場合

1オクターブより離れた2音の度数も一応チェックしておきます。

複音程

1オクターブ広いものと狭いものとで並べてみました。見てのとおり、クアンティティが「7」増えるだけで、クオリティは絶対に変わらないのがポイントです1

実践の中で暗記をする

さて、以前紹介したように、2音が作る度数というのは、オクターブ以内でも132とおり考えられます。

全てのインターバル

異名同音まで考えたら、実際にはさらに多くのパターンがあります。こんなの、すぐに言えるようになるわけがありませんよね。パッと度数が言えるようになるのは、もっともっと後でよい。数年かかっても問題ありません。

逆に非効率的で良くないのは、ひたすら楽譜上の問題を解いたり、半音数と度数の対応を丸暗記して覚えようとすること。なぜなら、そのようにして記憶した情報は、現実世界となんら関連付けのない、ただの記号や数字の羅列でしかないからです。

暗記のコツは「関連づけ」です。実際にどんなコード上でその度数が現れるのか、そのサウンドはどんな感じなのか。そういった実践情報と紐付けてあげることで、忘れにくい強固な記憶として定着していきます。しかもその方が学習も苦痛でないし、作曲や分析をしながらの暗記だから一石二鳥です。

これからコード編III章を進めていく中でたくさんのコードに触れていくことになるので、その学習と実践の中で少しずつ詳細度数を身につけていくのがよいでしょう。

まとめ

  • 詳細度数は、長・短・増といった「Quality(質感)」と、ドレミの数で測る「Quantity(量)」から成ります。
  • 2・3・6・7度は「長・短」のクオリティを持ちえますが「完全」は持ちえず、逆に1・4・5度は「完全」のクオリティを持ちえますが「長短」は持ちえません。「増・減」のクオリティは、度数に関わらず持ちえます。
  • 詳細度数の見分けは、「半音○個ぶん」で丸暗記していくよりも、サウンドの違いや実際と結びつけて覚えるのが賢いです。
  • 現段階でこれらの度数をマスターする必要は全くなく、今後コード理論を知っていくのと共に段階的に覚えていくと負担が少なくてよいです。
Continue

1 2